Last Joker brand new world 前編

side Ki ページ40

「はぁ・・はぁ・・いたっ・・・あぁ！」


「北山？！」




薄暗い部屋の中、寝苦しさに身を捩ると、心配そうに俺の顔を覗き込む藤ヶ谷の姿があった
ふと時計を見ると、短針は夜中の2時を指していた




「わり・・」


「大丈夫？さっきから、」


「ごめ・・起こしちまって・・」





眠ろうと目を閉じても、身体の奥がひりつくように熱くて、すぐに息が上がる

声を押し殺すようにしても、痛みが込み上げてきて、俺は奥歯を噛み締めた

体の節々が痛い




「水・・ほし、」


「ほら」



藤ヶ谷が、優しく唇を合わせてくれると、冷たい水が流れ込む
コクっとうごくきれいな喉ぼとけを見つめた




「はぁ・・」


「寝れそう・・？」


「ん、」




藤ヶ谷のほうを見ながら、ゆっくりと手を伸ばすと、指を絡めるようにしてぎゅっと握ってくれた

俺が目覚めてからずっと、藤ヶ谷のほうが、辛そうな表情をしている


俺のせいだ



藤ヶ谷にこんな顔、させてぇわけじゃねーのに・・




「ふ・・ぁ、はぁ・・・・ぁ・・」


「北山、辛いね・・っ」


「へい・・き」


「ウソ、辛いんだろ・・・」




泣きそうな声で、そう言いながら藤ヶ谷が俺の背を擦る

藤ヶ谷のせいじゃねーのに、

いうことを聞かない身体と、ぼんやりとしていく頭



「ごめんね、北山・・」


「っ・・・ちが・・」



藤ヶ谷に、伝えたくても、もはや口から洩れるのは、掠れた吐息だけ

痛む身体をごまかしながら、もう一度目を閉じた

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