winter color of kiss

春を、待ちわびて ページ33

本作の中の、「夢の続きは」の更に続編です
続きが気になる！という、お声をいただけて嬉しいので、執筆してみました
ただ、甘々な藤北が書きたかった…

今回はF視点です


****************

シャワーを浴びて、まだ少し濡れたままの髪を拭きながら寝室に戻ると、布団が小さく膨らんでいた
その布団の持ち主は、身体をまあるくして布団にくるまって、小さく寝息をたてていた


伏せられた大きな瞳には、長い睫が揺れている
昔よりは少しだけ緩んだフェイスライン

だけど、相変わらずの愛くるしい寝顔を見ながら、俺は一人で頬を緩めた



「ね、そんな恰好で寝ると風邪ひくよ」


気持ちよさそうに寝ている北山を起こすのはかわいそうだと思ったけれど、
いくら毛布にくるまっているとはいえ、その格好はマズい

北山の体調が心配、とか
そういうマズい、だけではなくて…

色々と、俺の方がマズい



「ん・・・んー、ふじ、がや・・」


トロンとした目をうっすらと開けて、北山がこちらを見た

あどけない表情が、俺の心の奥を擽る

それと同時に、肩までかけていた毛布が静かに北山の肩から滑り落ちて、柔らかそうな肌が覗いた

さっきまで思う存分に、彼の身も心も堪能していたはずなのに、その肌を見ると、再び体の芯が熱くなる



「ふふ、疲れちゃった？」

「んー・・・藤ヶ谷がシャワーしてる間ちょっとって思ったら・・気づいたら寝てたわ」




そういって、両手を伸ばして大きく伸びをした北山の身体を後ろからぎゅっと包む

温かい体温が伝わってきて、俺は北山の香りを吸い込むように深呼吸した



「ね、まだ・・・いい？」


わざと、耳元に息を吹きかけるようにしながら囁くと、北山がぴくっと身体を固くした


「ふ、藤ヶ谷・・明日も早いんだろ？」


照れた様に目を泳がせながら、そう言ってくる北山



「んーでも、ほら。今日久しぶりだったし。またしばらく忙しくなるから・・さ」


「あ、でも・・俺、もう身体無理っ・・あっ、ちょ、待てって！」




北山の首筋をなぞる様にキスを繰り返せば、あっという間に甘く変わる北山の声



「ふ、じがや、待って！ちょっと・・俺もう、ほんとにむりっ・・」


くすぐったそうに身を捩る北山
少しだけ振り返ったその顔、両手で頬を挟んでこちらを向かせて、そのままふっくらとした唇に吸い付いた

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