winter color of kiss

side F ページ32

「その、藤ヶ谷、それって、その…」

普段はあんなに饒舌なくせに自分のこととなると、まるで口下手な、目の前の相棒を見つめながら、ふっと口角をあげた

「あ、隠し事ついでに…俺もう一つ北山に言ってなかったことあるんだけどさ、」

隣のベッドに眠る北山の方に身体を向き直って、まっすぐその目を見た


「俺、北山のこと、好きだよ」

「っ…！！！」

大きな目を、一層大きく見開いて、耳まで真っ赤に染め、予想通りの反応を見せる、目の前の愛しい人


「あとさ…北山も俺の事…好きでしょ？」

「なんでお前それ…！！」

「ははっ…北山は隠し事、下手だからね」


わざとからかう様に笑ってやれば、北山はまた表情をくるくると変えて照れたように顔を布団で覆った



「藤ヶ谷…マジでズルイ」

「ふふっ…じゃあ、今の質問は、イエスってことだよね？」

「っ・・・そうだよ！好きで悪いかよ！」


そう叫ぶと、隣のベッドで布団をすっぽりとかぶってしまった北山
俺は自分のベッドから降りて、北山が隠れてしまった布団を優しくをめくってやると、真っ赤な顔が見えた

俺の想い人は、どうにも照れ屋で意地っ張りだ


「ね、俺達どっちもインフルエンザらしいから、別にいいよね？」

「は？」


そういって俺を見上げる、やっぱり鈍い北山の、
真っ赤な唇目掛けて一つ、キスを落とす


「っー！！！」

チュッと小さなリップ音をたてて、一旦離れた唇


「北山の唇…思ったとおり柔らか」

「もうっ！！いいから！！」


トマトがいちごかというほど赤い北山の頬に触れると、照れながらも潤んだ瞳が俺を見上げていた


「ふ、藤ヶ谷っ…！早く、インフルエンザ治せよな！！もういーから寝とけ！」

「うん、北山もね」

「そしたら…今度はちゃんと・・うちに、」

「なに？お家デートのお誘い？嬉しいな」

「おう・・」

「ね、きたやま」

「ん？」

「好きだよ」

「っ…///」


お互い元気になったら…

たった今恋人になった目の前の彼に、もっとたくさんキスをして、愛を伝えたいと思いながら、俺はゆっくりと目を閉じた




ＥＮＤ

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冬ということで、藤北看病ネタを書きたかったのですが・・自分よりみっくんを優先しちゃう、少し愛重めな藤ヶ谷君でした。うまくまとまったのか心配です(汗)
世の中は大変なことになっていますが、キスマイメンバーはもちろん、読者様も健康に気をつけてご自愛くださいね！！

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