検索窓
今日:39 hit、昨日:14 hit、合計:186,627 hit

Ki 17 ページ17

「・・・」

沈黙が流れるエレベータ

ちらりと藤ヶ谷の視線を盗むと、ふと交わった視線
言わなくてもわかる、きっと、すこぶる機嫌が悪いんだろう

「・・・そんな顔すんなよ。スタッフさん困らせてもさ・・俺と合い部屋なんて、不本意だろうけど・・今日は我慢してくれよ」


俺は、藤ヶ谷と視線を合わせていることに耐えきれなくなって、少し目を伏せてそういった


「あ、俺、売店寄ってから行くから・・先に部屋いってろよ」

俺は藤ヶ谷にルームキーを差し出してエレベータを降りた





売店に行きたいなんて真っ赤な嘘だ

きっと藤ヶ谷は俺と合い部屋なんて、嫌に決まっているから…せめて、少しでも時間をつぶして、アイツの一人の時間を作ってやろうと思った

部屋に帰ってから、俺がすぐに眠れば、藤ヶ谷の精神的な負担にもならないだろうから



そんなことを考えて、ホテルのロビーへ降りると、俺はそのまま外へ出た
行く当てもなく、土砂降り雨の街並みを見つめる



「さ、さみぃ・・・」



台風が接近していただけあり、強風が吹き荒れる外は冷たい風が頬に刺さる様に感じる

時間をつぶそうにも、この雨の中で、どこの飲食店も早めに店じまいをしているようで、看板の明かりが暗い

仕方なく、一番近いところにあったコンビニに逃げ込んだ


キャップを目深にかぶって、雑誌コーナーに手を伸ばす

せいぜい、時間つぶしになっても30分だな・・
コンビニで長時間立ち読みするわけにもいかねぇし・・・

小さくため息を吐きながら、たいして興味もない雑誌のページをぱらぱらとめくった






結局、立ち読みで長居する俺に向けられた店員の視線に耐えかねて、俺は雑誌を閉じた
やはり、ホテルを出てから30分ほどしかたっていない

仕方なく、コンビニの酒コーナーを見つめて、これまたあえて時間をかけて缶ビールを選んだ

藤ヶ谷は、どうしているだろうか




不安にかられながら、ホテルの部屋へ戻って、そっとドアを開ける

物音がしない部屋に静かに足を踏み入れると、藤ヶ谷はベッド横のソファに体を持たれるようにして眠っていた

Ki 18→←Ki 16



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (277 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1134人がお気に入り
設定タグ:キスマイ , 藤北 , 藤ヶ谷太輔北山宏光   
作品ジャンル:タレント
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ピンクピーチ | 作成日時:2020年1月7日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。