だから、君の隣で笑わせて (ページ26)

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Ki 26 ページ26

「はぁ・・あ・・・ごめ・・ん」

藤ヶ谷の手のひらに、どびちった俺のモノは、俺の心の中にたまった汚い欲が具現化されたもののように感じた
まだ整わない息で、藤ヶ谷のほうを見ると、その切れ長の目が俺のほうを見ていた

目を、見ないようにしていたはずなのに

藤ヶ谷は何かを考え込むようにただ、俺によって汚された手のひらに視線を落とした

「藤ヶ谷・・？」

気分を害してしまったのだろうか

俺が藤ヶ谷を受け止めてやると言っておきながら、勝手に気持ちよくなって、勝手にイってしまった
藤ヶ谷に触れられると・・我慢なんてできなくて・・

そんな葛藤が頭の中でぐちゃぐちゃになる

「藤ヶ谷・・？」

もう一度名前を呼んで、快感の抜けきっていない上体を起こした

縮まる二人の距離

藤ヶ谷の瞳を見つめると、フリーズしたようにただ動かずに俺と視線を合わせてきた

後悔させてしまっただろうか

いろんな感情が沸き起こる中で、俺は思わず藤ヶ谷の肩に顔を埋めた

「え・・・」

戸惑う、藤ヶ谷の声

「ふ・・じがや・・・・・てよ」

「え・・？」

「俺のナカ・・・きて・・・いいよ」

震える指先で、キュッと藤ヶ谷の腰をつかんだ

しばらく流れる沈黙

埋めた藤ヶ谷の肩先に、ぎゅっと自分の顔を押し付けたまま、俺はその顔を上げることができずにいた

一世一代の告白以上に恥ずかしいったらありやしない
自分からこんなことを誘うなんて・・

ありえない

ありえないけれど・・藤ヶ谷になら、全部明け渡してもいいと思った

埋めた顔を何とか少しだけ挙げて藤ヶ谷の表情を盗み見ようとした矢先だった

「バカやろ！！ふざけんな！！！」

めったに聞くことのない藤ヶ谷の怒声とともに、身体が思い切りつき飛ばされたのがわかった

藤ヶ谷はベッドから立ち上がって、先ほど脱がせた俺のシャツををひろうと、思い切り俺の胸元に押し付けてきた

「簡単に・・俺なんかに、体許してんじゃねぇよ！！！！」

めずらしく大声を張った藤ヶ谷が、呼吸を荒くして肩を大きく上下させていた