side F ページ47
その都会のジュエリーショップを狙ったのには、訳があった
難攻不落と言われているそこの、一番の目玉商品の深く青に輝く宝石
その魅惑の輝きはかつて皇帝も愛したというほどの代物で、その魔力のような魅力に取り憑かれた者の間で、国を巻き込む争いが起きたほどだと聞く
そんな人を悪魔にするような美しさを持つ宝石、絶対に俺のものにしたいと思った
いつものように愛車を物陰に停めて、そのジュエリーショップに忍び込んだ
バイクの腕前ならば、誰にも負けない自信があった
だから、盗みに成功すれば、あとは容易い
そう思っていたときに…
俺は、お前を見つけた
月明かりだけが照らす、暗い店内
ガラスケースに厳重に入れられた青の宝石を見つめる一人が、そこにいた
小柄で小さめな顔は、一瞬では男とはわからないほどで
なにより、大きな瞳は、目当ての宝石よりもキラキラと輝いて見えた
明るい茶髪が月明かりをキラキラと反射させて光る様
もし天使がいたら、こんな感じだろうかと思ったほどに、キレイだと思ったんだ
だけど、その右手に握られた棒と、黒づくめの格好を見たときに、気づいてしまった
あぁ、俺と同じ側の人間なんだ、と
あの時に、すぐにナイフで刺殺すこともできたのに、そうしなかったのは、やっぱりお前に見惚れてしまったことが気になったからだと思う
俺を交わすように距離をとったお前
夢中になるうちに、警察に囲まれてることにも気づけなかった
『俺に…賭けてみろよ?』
足を負傷した俺を見て、毒に侵されながらもそう言って笑ったお前に、普段なら絶対そんなことしないはずなのに、なぜか、賭けてみたくなった
あの時、初めてお前をバイクの後ろに乗せて逃げた
あんなにも、後ろに人は乗せないと決めていたのに
冷静に考えれば、お前との出会いは不思議なことだらけだった
なのになぜだろう
妙に心に残っていて、心が騒がしくなった
俺を見つめるビー玉のような大きな目
いたずらに、自信に溢れたような笑顔
見えそうで見えないお前の心の奥底
そんなお前を見ているうちに、気づけば初めて出会ったあの日のうちに、誘われるがまま、お前の仲間になることを決めた
お前と組んで、はじめはただのビジネスパートナーとして半信半疑だった俺も、気づくといつの間にか、お前の事をもっと知りたいと思うようになっていた
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ピンクピーチ(プロフ) - keitaku125さん» チームワークと、藤北の甘酸っぱい恋模様と、どちらも楽しんでいただけるよう、続編も頑張りたいと思います^^ (2020年6月11日 17時) (レス) id: ef49e46d66 (このIDを非表示/違反報告)
ピンクピーチ(プロフ) - まりぶさん» ありがとうございます!次のおはなしもどきどきはらはらでたのしんでいただけるように、構想熟考中です^^ (2020年6月11日 17時) (レス) id: ef49e46d66 (このIDを非表示/違反報告)
keitaku125(プロフ) - 続編見たいです!7人のチームワークも好きでしたが両思いなってからの藤北のコンビと信頼感が大好きでした。続編がどんな感じになるのか楽しみです! (2020年6月10日 21時) (レス) id: 533dfc9d96 (このIDを非表示/違反報告)
ピンクピーチ(プロフ) - みちゅどんさん» ストーリー柄ハラハラドキドキな展開が多いですが…次もそうなると思います(笑)続編も、楽しんでいただけるよう頑張りますね! (2020年6月10日 19時) (レス) id: f1b41ec3ce (このIDを非表示/違反報告)
ピンクピーチ(プロフ) - nanacoさん» そう言っていただけて嬉しいです!!続編も、気に入っていただけるように頑張って執筆します^_^ (2020年6月10日 19時) (レス) id: f1b41ec3ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ピンクピーチ | 作成日時:2019年11月14日 16時