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「ね、キタミツ・・」

「・・・ん?」



あのあと仕事のある、横尾さんと、ニカセンたちは、名残惜しそうに帰っていってしまったけれど、
俺と玉は、キタミツのことが心配で、まだ部屋に残っていた



「俺さ・・玉のこと好きなんだ」

「は?」

「え?」


玉とキタミツが同時に声を上げた


「キモイ?」

「いや・・全然・・そんなことねーから」

「俺・・もし玉に何かあったら・・すごく辛いし、多分一生忘れない」

「宮田・・?」

「でもさ・・・もし、自分がどんな姿であっても・・玉が辛いときは、側にいたいし、側にいてあげたいって思う。自分が辛いときも、側にいて欲しいって思う」


「・・・」

「好きだから」

「お前・・」

「ねぇ、それだけじゃダメなのかな?」

「宮田、おま」

「好きだから、側にいてあげるだけじゃ・・ダメなのかな・・?」





熱くなった俺を宥めるように、玉が俺の肩をやさしく抱いてくれた
泣かないキタミツが、痛々しくて、俺は涙を抑えられなかった


「ごめん、ミツ・・ちょっとアレだからさ・・また来るね」



そういって、玉は俺をやさしくドアのほうへと促した




「なぁ、宮田、玉・・・」

「ん?」

「俺さ・・・」

「うん」



背中に感じた声に振りかえると、
俺達のほうを見たキタミツの大きな瞳は、不安げに揺れていた

その、ふっくらとした唇はいつもより乾いていて、少し荒れていた

そこが紡ぐ音は、いつだって明るくて美しい音色だったはずなのに




”俺さ、藤ヶ谷には、会えないよ・・”




そういったキタミツは、ぎゅっと自分の肩を抱いた


その姿は、俺達が知っているどんなキタミツよりも

ひどく辛そうだった

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ピンクピーチ(プロフ) - あこさま!いつも温かいメッセージありがとうございます!励みにさせてもらってます!!もう少しで幸せな二人編に突入するので、もう少し頑張ります^_^ (2019年11月15日 15時) (レス) id: f1b41ec3ce (このIDを非表示/違反報告)
あこ(プロフ) - こんにちは!更新されるたびに泣きながら読んでます。みんなの心の傷が癒えてふたりがしあわせな時間を早く過ごせることを願ってます。ピンクピーチさまもしんどい部分の更新大変だと思いますががんばってください!応援しております^^! (2019年11月15日 14時) (レス) id: c75777a11f (このIDを非表示/違反報告)
ピンクピーチ(プロフ) - みってぃーさん» はじめまして^_^日課にしていただけて大変光栄です!そして、温かいお言葉!こちらこそ泣きながら読ませていただきます!!これからも、更新励みますので、良ければ読んでやってください★ (2019年11月11日 18時) (レス) id: f1b41ec3ce (このIDを非表示/違反報告)
みってぃー(プロフ) - いつも更新ありがとうございます!毎日更新されているか確認するのが日課になってます。そして、更新された話をここ最近泣きながら読んでいます。作者様の作品はどれも心に刺さるものばかりで尊敬しています。大変だと思いますが更新頑張ってくださいね。 (2019年11月11日 17時) (レス) id: 4e432f1ab1 (このIDを非表示/違反報告)
ピンクピーチ(プロフ) - キスマイさん» ご愛読ありがとうございます!これからは、藤北以外のメンバーの心情も複雑に絡みながら展開していきます…また楽しんでいただけたら、嬉しいです^_^ (2019年10月27日 10時) (レス) id: f1b41ec3ce (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ピンクピーチ | 作成日時:2019年10月23日 15時

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