side Ki ページ9
「まぁまぁ、そうヘコまんとき! それなら俺が煽っといたのも、結構効果ありっちゅう分けやな・・ふふっ」
「え?お前藤ヶ谷に何言ったんだよ??」
「あーこっちの話や!気にしんといて!」
面白そうにけらけら笑い出す大倉
その様子をいぶかしんでみていると チャイム音と共にドアのほうから聞きなじんだ声が聞こえてきた
「・・北山・・」
大倉に招き入れられて、リビングのほうから顔を出した藤ヶ谷は
ライブでだってめったに汗を流すことなんてないのに
遠目から見てもはっきりとわかるくらい額に汗をにじませて、ここまで急いできてくれたことがありありと分かった
そんな姿に、久しぶりの藤ヶ谷に、心がキュッとなる
「・・ふじが」
「帰るぞ」
目が合ったのは一瞬で、短くそう言うと、俺に来るっと背を向けて、一人で歩きだしてしまった
「ちょっと藤ヶ谷っ!!あ・・大倉マジでごめん!!今度奢るっ!」
藤ヶ谷を追うように、あわただしく俺もベッドから身を起こすと、近くに置かれていたジャケットをひったくって、慌てて玄関へ向かう
「おぉ!気ぃ付けてな〜」
藤ヶ谷は、大倉に深々と頭を下げると、まだスニーカーを履ききっていない俺の手を引っ張って強引に立たせた
「それじゃぁ、失礼します」
つかつかと、エレベーターホールを歩く藤ヶ谷と、強い力で腕を引かれたまま、その後を歩いていく俺
普段一緒に歩くときは、どんなに急いでいても、俺の歩幅に合わせて歩いてくれるのに
「ふじがや・・ごめん・・」
「・・・・」
「迷惑かけて、ごめん・・・」
握られた腕が少し痛む
一歩前を歩く藤ヶ谷の表情が見えなくて、斜め下からのぞき込むようにうかがったが、藤ヶ谷は俺の言葉に一向に答えない
「・・怒ってる・・よな?ホントごめん・・」
俺が今、何を言っても、藤ヶ谷には返事をしてもらえない気がした
そのままエレベーターで地下駐車場へ降りると、見慣れた藤ヶ谷の車が止めてあって、助手席のドアを開けてくれたと思うと、
強引にシートに押し込められた
「ふじが・・」
「早くシートベルト閉めて」
俺のほうを、一瞬たりとも見ずに、低くそう呟いた
普段と、まったくと言っていいほど違う藤ヶ谷の雰囲気に、何も言えずにただ黙ってベルトに手をかけた
俺のベルトがかちゃりと音をたてたとほぼ同時に、
轟音を響かせて車が勢いよく動き出した
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ピンクピーチ(プロフ) - まほままさん» ありがとうございます!ハピエンありきの拗れ・・ダイスキデス(//∇//)FKの葛藤と、これから、お楽しみください! (2019年8月29日 9時) (レス) id: ef49e46d66 (このIDを非表示/違反報告)
まほまま(プロフ) - こんばんは、お邪魔致します。かく言う私もすんなりより拗らせ系すれ違い系大好物です。もちろんラストはハピエンが良いです(*´艸`)!これからも更新楽しみにお待ちしていますね。 (2019年8月28日 22時) (レス) id: 7707bec53f (このIDを非表示/違反報告)
ピンクピーチ(プロフ) - ゆうりんさん» お仲間がいて嬉しいです(・∀・)こじらせ→ハピエン→いちゃいちゃが大好きなドS作者ですが、更新お楽しみいただけると嬉しいです^_^ (2019年8月26日 19時) (レス) id: f1b41ec3ce (このIDを非表示/違反報告)
ゆうりん(プロフ) - すんなりハッピーエンドにならないのが好きな私もこじらせ系です(笑)でも今はかなり悲しい苦しい場面ですね……これがあってこそのハピエンだと思いながらも辛いですね〜。藤ヶ谷さん早めにみっくんに会ってあげて〜と祈りながら、次回を待ってます! (2019年8月26日 19時) (レス) id: 94839fccd9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ピンクピーチ | 作成日時:2019年8月20日 13時