【東京喰種】月山の彼女は半喰種になったようで。

悪食１０ ページ11

月山side



貴「お腹が空いた」



特に笑うわけでもなくタタラを見てAは悲しそうに言った。



タ「いい加減月山を諦めたらどうだ？



そしたら美味しいものを食えるんだから」



月「は！？」



タ「こいつは馬鹿なんだ。



美味しいものを食わせる代わりに抱かせろというのに…こいつは変食だな」



貴「タタラ！いわない…でっ！」



月「なっ…」



君は変わっていなかった。



いつも君は僕を考えていてくれた。



タ「少し失礼するぞ」



月「な、何をするつもりだ！？」



貴「ごめん…私は負けないから」



タ「店長、トイレを借りますね。



A…これを食べてこい」



貴「はい」



小さい箱を持ちAはトイレに行った。



タ「嘘をつくつもりはなかった。



けれどあいつは…



むかつくくらいお前のことを考えていた。



だから離れて仕舞えばいいと思ったんだ」



はぁ…。



どうすれば。



君は…泣かない？



暫くしてAは瞳を潤ませてトイレから出てきた。



それと同時につく嘘。



君に最初で最後の嘘をつく。



月「僕と…別れてくれないか？」



貴「え？」



月「僕は…君みたいに何処かへ行ってしまう女は苦手なんだ。



もう我慢しなくていい。



美味しいものを食べればいいだろう」



突き放す言い方に声を荒げる霧嶋さん。



霧「何言ってんだよ！？」



月「…君も馬鹿だね。



こんな男を信じて手術までして…。



最初から騙されていることに気づけばこんなことにならなかっただろう？」



貴「つき……や…ま？」



月「タタラのところに行けばいい」



違う。



本当は嘘だ。



でも…こうでもしないと君はいつか壊れる。



タ「そういう事だ、行くぞA」



貴「ちょっとまって」



Aは柔らかく微笑み僕の唇にキスをした。



貴「私は月山といて…幸せだったよ」



それが彼女の最後の優しさだったのだろう。



Aはそのままタタラにもたれかかるように泣きながらあんていくを出て行った。



金「なんで！？」



月「そう…するしかなかった」



霧「阿保か…Aはなんでも抱え込む癖ある、



けど…それはいつだって誰かのためだった。



…お前が引けばなおさらタタラのやりたい放題だ。



交換条件を覚えてないか？



うまいものを食わせる代わりに抱かせろ。



お前は優しさで突き放したつもりがAを地獄に突き落とした。



本当に…最低野郎だ」

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