パパが治してあげようね *ARS* 7 (ページ45)

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末っ子のまーくん　7　(雅) ページ45

和也Side

しばらくは静かに眠っていた雅にぃ。

だけど、目が覚めた時の機嫌は、最悪だった。

和「お願いだから、薬飲んで?」

雅「んっ……いたいっ」

和「うん、だから痛いのお薬で治そうよ。
これ飲めば楽になるから」

高熱のせいで頭が激しく痛むらしく
雅にぃは眉間にしわを寄せたまま痛みに耐えている。

朝から何も食べてないから
とりあえずジュースだけ飲ませて、
胃に負担の少ない鎮痛薬を選んで持ってきた。

それなのに雅にぃは薬を飲もうとはしてくれない。

錠剤だよ?

苦くもないし、飲めば痛みからも
解放されるというのに、なぜ拒むんだろう。

潤「どう、和にぃ。まだだめ?」

和「ご覧のとおりです」

2人で話しているうちに
枕元のクッションを抱え込んで丸まってしまった雅にぃに、
俺らはもう苦笑いするしかなかった。

雅にぃって呼びながら
俺らに向けられている背中にそっと手を当ててみれば、
ビクンと肩が動く。

何をそんなに怯えてるんだろう。
俺ら、怖い?

潤「どうしようか…」

和「どうしようね…」

そう2人でつぶやいたとき…

和「あっ、翔にぃ」

ポケットに入っていた携帯がブーっと震えた。

画面には『翔』の文字が表示されている。

よかった。
今このタイミングでの翔にぃからの電話はありがたい。

和「もしもし」

翔『もしもし? 雅紀、どう?』

和「今ちょっと…
って、あれ? 翔にぃオペは?」

よく考えれば、この時間に電話がかかってくるのはおかしい。

本来ならまだオペ中のはずだ。

翔『いや、ほんとはオペになるって話だったんだけど、
行って診てみたら薬でもなんとかなるだろうってことになって。
今オペやめて経過みてるんだ』

和「そうだったんだ、よかったね」

翔『うん。よかったよ』

和「で、いつ帰って来れるの?」

翔『え? そんなにすぐには無理だよ。
さては、そうとう苦戦してるな? まーくんに(笑)』

なんだか嬉しそうにそう言う翔にぃに、
笑ってる場合じゃないんだよって
ちょっと低い声で言い返す。

翔『悪い、悪い。
で、今はなに? 診察拒否中?』

和「んーん。服薬拒否中」

翔『あら～。そりゃ～大変だぁね』

またまた軽ーく大変だねなんて言った翔にぃに
俺は少しイラッとした(笑)