松岡先生のお説教 2 (翔) ページ14
智Side
僕の嘘の脅し(笑)が効いたのか、
おとなしく吸入もやってくれるようになった翔。
素直に従ってくれてはいるんだけど、
どうも思うように回復してこない。
聴診時の呼吸音もよくないし、
身体のだるさも抜けないようだ。
けっこう大きめの発作を起こしたから
しょうがないのかもしれないけど、
さすがにそろそろ体力が戻ってきても良いころ。
にも関わらず、
翔は少し階段を上り下りしただけで
呼吸を乱してハァハァしている。
発作は疲労がたまっていたのも原因だろうから、
ゆっくり休んでしっかり栄養つければ
だんだんよくなってくると思うんだけどね…
今回はちょっと時間がかかっているだけなのかな。
もう少し休養を取れば、
徐々に回復していってくれるだろうし。
ただ、ここで無理をすれば
また発作を起こして逆戻りだから。
それは翔にもしっかりと言い聞かせたから、
理解してくれているはずだ。
そして、発作を起こしてから3日後。
智「はい、深呼吸して〜」
翔「スー…っ、んっ!! げほげほっ!!」
智「あららら。大丈夫?」
朝仕事に行く前に翔の聴診してみるも、
まだ咳は治まっていない様子。
呼吸音は改善してるけど、
念のため今日はまだ安静にしておいた方がいいだろう。
智「ちょっと背中の音も聞かせてくれる?」
横を向いて自分でシャツをまくり上げてくれた翔。
さっきからいつもより
心拍が速いのはどうしてなんでしょうね〜
智「今日はまだ仕事はダメだよ」
翔「ふぇっ!?」
ふふっ。ビンゴだ(笑)
わかりやすいな〜、翔は。
すっごいドクンドクンしてるもん。
そもそもベッド下に隠してある通勤かばんに、
僕が気付いていないはずないでしょ〜
智「もう少ししたら行っていいから。
お願いだから今日は我慢して。
今また発作起こしたら、
ちょっと苦しいくらいじゃ済まないよ?」
翔「……わかった」
あら? ずいぶん素直。
智「ほんとにわかったの?
僕もう行かなきゃだから、翔のこと信じるよ?」
翔「うん。いってらっしゃい」
智「ん。いってきます。
ちゃんとおとなしくしててね?」
あまりにもすんなり頷いた翔に少し不審を抱きつつも、
出勤時間ギリギリだった僕は
聴診器をカバンに突っ込んで翔の部屋を出た。
翔の顎を指でつかんで、
約束破ったらおしりペンペンだよって
きちんと言い聞かせてからね(笑)
松岡先生のお説教 3 (翔)→←松岡先生のお説教 1 (翔) *リク
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作者名：ちさ
| 作成日時：2013年6月29日 14時
