パパが治してあげようね *ARS* 6 (ページ2)

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絶対安静　2　(和) ページ2

智Side

潤「ちょっ、どうしたの!?」

階段の上で、目を丸くしている潤は、
倒れている和を見つけて、すごい勢いで階段を駆け下りてきた。

大きな物音のせいで起きてしまったんだろう。

寝起きは良い方じゃないから、
寝ぼけている頭を覚ましてから様子を見にきてくれたんだろうね。

潤「和にぃ!?」

智「階段から落ちちゃったみたい。
ちょっと身体診たいから、手伝ってもらっていい?」

慌てている潤を落ち着かせるためにゆっくりと話しかけると、
数回頷きながら和の横にしゃがんでくれた。

こうやってすぐに気持ちを切り替えてくれるから、
僕は本当に助かってる。

急なアクシデントにも冷静な対処を求められる仕事をしているわけだから、
できて当たり前だと思うかもしれないけど、

でも、自分の家族のときに同じことができるかというと、
それはとても難しいことだと思う。

だから、僕が指示を出したとき
確実に動いてくれる弟たちにいつも感謝してるんだ。

智「どこが痛い?」

和「んっ・・んんっ!!」

智「ん? 頭は? 打たなかった?」

僕を求めて声を出したとき以来、
和は唸るだけで言葉を発していない。

しゃべる余裕がないくらい、痛みが強くなってきたか・・・

智「ちょっとお顔触るよ?」

和「んんっ・・」

智「ん～、動かないでね～。」

顔に手が触れた瞬間
逃げようとする和の頭を潤が押さえているうちに、
さっき喉を診るのに使ったペンライトで目をみてから、
頭に怪我がないか確認した。

これだけ頭を動かせれば、首も大丈夫かな。
頭頸部に大きな問題がなくてよかった。

でも問題はそこから下の部分。
時間とともに、明らかに足首が腫れてきている。

和も右足は全然動かそうとしないし、
かなり痛みがあるんだろう。

そんなところを触るのはちょっと可哀想だけど・・・

智「ごめんね、和。
ちょっと足触るね。」

和「んっ!! あぁっ、いたっ!!」

智「ごめん、ごめん。」

和「あっ!! さわ・・ないで!!」

智「うん。もうちょっと我慢ね。」

和「あっ、あぁっ!!」

智「はいはい、ごめんね。
おしまい。もう触らないよ。」

見た感じ変形もないし、骨折はしてないかな。

ただ、痛がり方と腫れ方から、
もしかしたらってこともある。

そして、もう一つ見つけてしまった和の異常。

涙を流すほど痛がって嫌がってるのに、
身体を動かそうとしない。

いつもと違って抵抗してこない和に、
僕は嫌な予感がした。