パパが治してあげようね *ARS* 5 (ページ36)

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食べたくない　1　(雅)　*リクページ36

翔Side

翔「お、おい!! どうしたんだよ!!」

潤「しょ～にぃ～。たすけて～」

今俺の目の前にいる、汗だくの潤と、
そんな潤に支えられながらぐったりとしている雅紀。

玄関で物音がすると思って
リビングから顔をのぞかせてみるとこの状態。

びっくりして大きな声を出したせいで、
俺の腕の中でうとうとしていた結心まで起きてしまった。

今日は随分とグズグズで、
ついさっきようやく静かになったというのに・・・

翔「とりあえず、寝室に運ぼうか。
和、ゆい任せた。」

またぐずりだした結心を和に渡して、
潤と2人で雅紀を部屋に連れて行く。

雅紀の身体には力が入っていなくて、
ちょっとでも気を抜くと倒れてしまいそう。

まったく、毎回毎回、無茶しすぎなんだよ。

翔「うわ、あっつ・・・
どんだけ熱出してんの。」

潤「あちゃ～・・・
電車に乗ってる時より上がっちゃったね。」

ベッドに横たわる雅紀のきっちりと締めてある
ネクタイを緩めて首元に手の甲を当ててみると、
かなりの熱が伝わってきた。

これにはため息しか出てこないけど、
いつまでも呆れているわけにはいかない。

まずはどうしよう・・・服、着替えさせるか。

翔「雅紀、一回体起こして。
スーツのままだと寝づらいだろ。

潤も、早く着替えてきな。
疲れただろうから、ゆっくり風呂にでも入っておいで。
雅紀は俺がみとくから。」

よほど疲れていたのか、
潤は俺の言葉に素直に頷いて部屋を出ていった。

ちょっと足元ふらついていたから、
体力も限界なんだろう。

雅紀と潤は、今日は一日勉強会だったから、
それだけでも疲れているはず。

その上雅紀がこんなになって、
大きな身体を担ぐようにして家まで連れてきてくれたんだから。

潤の話によると、
電車の中から調子悪かったみたいだしね。

大勢の前で兄貴が倒れたら…って考えたら、
気が気じゃなかっただろうな。

気ぃ使って、体力も使って、
そりゃ疲れない方がおかしいよ。

雅「しょ・・にぃ・・・さむいっ」

翔「あぁ、ごめんごめん。
はい、自分で着れるか?」

荒い呼吸をしながらだるそうに腕を動かしている雅紀も、
体力は限界のようで。

今回はいつごろから我慢してたんだろう、なんて考えながら、
やっとのことで着替えを終えた雅紀を、そっとベッドに寝かせた。