パパが治してあげようね *ARS* 5 (ページ27)

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0歳のママ　4 ページ27

智Side

「うぅ・・っ・・んっ、んぅ・・うっ・・」

こんなに苦しそうに泣くなら、
声を出しちゃったほうが楽なのに・・・

我慢しないで、って軽く背中をポンポンと叩いた時、
スッと息を吸い込んだAの身体が固まった。

驚いた顔で振り返って僕の顔を凝視していたと思ったら、
“出てって!!”って叫びながら布団の中に隠れてしまって・・・

この様子だと、
今まで僕がいたことに気付いていなかったかな。

智「A・・・・」

「やだっ・・・やだっ・・・」

智「どーした? A?」

僕に怯えるようにベッドの端に逃げていくAの身体を
慌てて腕で包み込んだ。

少し前のAとは様子が違い過ぎてびっくりしたけど、
でもそれは、それだけ我慢してたってこと。

見る限りかなり不安定になってるみたいだから、
相当頑張ってたんだろうな・・・

いつも通りの笑顔をつくるのに
どれだけ苦しんだんだろうって考えたら、胸の奥がズキンと痛んだ。

「やだっ・・離して!! いやっ・・・」

智「・・・少し、怖くなっちゃったかな。」

「やっ・・・はな、して・・・」

智「またいろいろ考えちゃった?」

「うぅっ・・・やだっ・・・」

智「うん。つらかったね。」

「んっ、うぅ・・・」

僕を遠ざけようと伸ばされていた手をぎゅっと握ってやって、
僕の手をそっとAの頭の後ろにまわした。

軽く撫でてやると
そのたびに目から涙がぽろぽろと流れて、
力の入っていた身体がほどけてくる。

智「泣いても平気だよ。
ほら、これでもう誰にも聞こえないから。
大丈夫。ね?」

片足だけベッドに乗せ、
Aの頭をそっと持ち上げて、脚の上においた。

お腹の方に優しく抱き寄せてやれば
Aの真っ赤な目からは次々と涙が流れ出てきて、
僕の服をじわじわとぬらしていく。

お腹に顔を押し付けているAのこもった泣き声が響く部屋で、
僕はゆっくり頭を撫で続けた。

散らばったサラサラの髪を手ですきながら、
少し屈んで耳元で声をかけて・・・

Aが心の闇を吐き出すことの邪魔にならないように、
優しく、ささやくように言葉を届けていった。