歯医者さんデビュー!! 1 (結心) *リク ページ1
雅紀Side
『せんせー、俺虫歯あったぁ?』
雅「ううん。なかったよ〜。
これからも頑張って歯磨きしてね?」
『はーい。』
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今日は幼稚園の歯科検診。
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まずは年長さんの検診を終えて、今はしばしの休憩中。
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おっきい子はほとんど泣かれることはなくて、けっこうスムーズに終わってくれた。
まぁ、ビクビクしながら今にも泣きそうな子はいたけどね。
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そこは俺の腕の見せ所!! ってわけで、
お話しして気を紛らわせながら、なんとか終わらせたんだ。
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だけど、これからはそうもいかない。
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毎年そうなんだけど、年中さんの検診はけっこう泣かれちゃうことも多いんだよね。
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一人がなくと連鎖的にグズっちゃったりして、大変な年は本当に苦労するんだ。
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さあ・・・今年はどうなるかなぁ・・・
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結「ま・・・しゃ・・・・・」
雅「おっ、ゆいちゃん。」
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ホールに年中さんクラスの子たちが入ってくると、
先生が誘導する列の先頭に結心を見つけた。
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名前順でいくと一番前だもんね。
俺も子供のころ、なんで“あらしたに”なんて苗字なんだっ!!
って思ってた(笑)
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検診も注射もいっつも俺が一番。
そんな中、小4の時に相川って子が転校してきたときは、
思わずガッツポーズしたっけな(笑)
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先「はい、ゆいちゃん。
おイスに座って?」
結「やぁ・・・・・・」
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昔の思い出にひたっていた俺は、結心のグズる声でハッと我に返った。
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先生の足にしがみついて動こうとしない結心は、怯えた表情で俺を見ている。
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いつもなら“ましゃ〜”って飛びついてきてくれるのに、
今日は歯医者さんの俺を警戒してるようだ。
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白衣も着てないし、マスクだってしてないから、
普段家にいる俺とほとんど変わりないと思うんだけど・・・
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まぁ近くに大量のデンタルミラーが置いてあるから、それだけでもちょっと怖いよね。
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雅「ほら、ゆいちゃん、こっちおいで?」
結「やっ・・・やっ、だぁ〜」
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おっと・・・・
まずい、まずい。
泣かれるのだけは回避しないと・・・
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作者名：ちさ
| 作成日時：2012年12月8日 20時
