歯医者さんデビュー!! 6 (結心) ページ6
潤Side
潤「はい、ゆいちゃん。
風船だよ〜」
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結「ﾋｯｸ・・・・ﾋｯｸ・・・・」
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治療の時に使っているゴム手袋を、
エアーでシュ〜っと膨らまして風船のようにし、結心の目の前でゆらゆらと揺らしてみた。
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“なんだ、これは”というような表情で見つめている結心は、泣くことを忘れているようで、
口を半開きにしながら涙がいっぱい溜まった目で風船を追いかけている。
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ちょっとは気を引くことができたかな。
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智「よかったね〜
ちょっと変わった形の風船だけどねぇ(笑)」
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潤「ははっ。
そうだね。いつもはまんまるの風船だもんね。
じゃあ、はい。
これでお絵かきしていいよ。」
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結心にマジックペンを渡して、白い風船にお絵かきをさせてみた。
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智にぃにも風船に顔を書いてもらったりして、
少しずつ笑い声が聞こえるようになってきた結心。
これで少しは慣れてくれたでしょう。
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潤「さ〜て、今度は何して遊ぼうかなぁ〜
これ使ってみようか。」
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結心の前にミラーを差し出してみる。
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一通り治療器具に触らせて恐怖心を取ってもらおうと思ったのに、
ミラーを見た結心の目にはジワジワと涙が溜まってきていた。
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結「うっ・・うっ・・・ふえぇ・・・」
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まじかよぉ・・・
ミラー見せただけで泣いちゃうの?
これじゃあ全然進まないじゃん・・・
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潤「ここねぇ、鏡になってるんだよ〜」
結「やっ・・・いやっ!! いたいぃ〜」
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潤「痛くない、痛くない。
ほら、な〜んにも痛いのついてないよ?」
結「んん!! ぎゃぁぁー」
潤「まいったな、こりゃ。」
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痛くないんだよって、ミラーを手の甲に当ててやっただけでこの泣きよう。
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これはもう、手ごわいなんてレベルじゃない・・・
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結心をなだめてくれてる智にぃも困ったような顔をしている。
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暴れる結心を押さえながら、
俺と智にぃは顔を見合わせながら苦笑いをしていた。
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作者名：ちさ
| 作成日時：2012年12月8日 20時
