船上カフェをやってる私はヤバい人です2 (ページ32)

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新たな客が79人ページ32

目を狙って砂を投げつけるという簡単かつ単純な方法で海軍大将｢赤犬｣の動きを封じこめた私は次にあいつの相手をすることにした。

｢おや〜？まさかサカズキの動きを止めるなんて〜｣

今度はこの特徴的な話し方をする黄色スーツの部下を相手する…

〈海軍大将の1人…黄猿、あなたも厄介な人物だ…ここで大人しくしてもらう！〉

無意識にテレパシーでそう宣言すると彼は一瞬だけ驚いた顔をしたが直ぐにいつもの笑顔に戻して戦闘態勢をとった。

覇気を纏った刀をまだ鞘には収めずに握ると彼女も緊張しているのが妖気を伝って来る…

大丈夫だ…あなたを壊すようなことはしないしこんな所で死ねない

そんな思いを伝えればさらに妖気が増してその美しい刀の姿を変えた。

光に包まれ直視出来なくなった愛刀を離すことなく握っていると次第に目を開けても大丈夫な程に光が収まりその姿を現し息を呑む

ウェーブのかかった桜色の髪の毛をひとつにまとめて高い位置に結ばれており濁りのない純粋な赤い瞳は主を守るような強者の目をしている。

先程まで私が握っていた刀は不思議な少女の腰に装備されており代わりに握っていたのはその少女の手だった。

｢(えっと…血染めちゃん？)｣

あまりの美しさにテレパシーを使うことすら忘れていた私はじっと彼女の後ろ姿を見ていた。

すると固く結んでいた口を開け私と目の前にいる2人の大将に聞こえるように大きな声でこう言った。

｢こんな雑魚…私だけで十分！

私が道を作る…だから主は先に行って!!｣

本体である刀を握り構えの体勢をとると1発斬撃を繰り出した

その威力は凄まじく大将2人も回避せざるを得なかった。

私はその隙を狙って桜色の髪の少女に死なないでと伝えると目的の場所に向かってまっすぐ走った。

｢それ以上は…｣

｢行かせないよ〜｣

後ろから聞こえた声と身体が震えるほどの寒気がして咄嗟に後ろを向くとその瞬間頭が軽くなった気がした。

振り向いて周りの状況を理解したからこそ頭が軽くなった原因がわかった。

クザンの氷が鋭すぎて私の頭を狙ったんだ

しかしそれは外れて代わりにフードと共に髪の毛がバッサリと切れてしまった。

まずい正体がバレる