【d!】全ては我が主のために Ⅲ (ページ32)

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その129 ページ32

幹部全員を呼んでの会議…普段は食後なのだが今回は違う

グ｢噂で聞いた者もいるだろう…Σ国が日常王国に宣戦布告をした

これが何を意味するかわかるか｣

集まった幹部達は様々な反応を見せた

面倒くさそうに溜め息をつく者、新しいおもちゃを見つけたようにキラキラとした笑顔を見せるもの…色んな顔だ。

複数人は主様の後ろにいる私の方を心配そうな表情で見てくる者もいた。

ロ｢グルさん…この戦争って幹部全員が参戦して勝つんよな？

そしたらアルヒもこの戦争に参加するんか？｣

その瞬間、部屋の空気が凍りついた

確かに私はこの場にいる幹部達と同じ地位を貰ってるメイドだ

私の存在はあまりにも曖昧で中途半端、私の正体を知ってる複数人を除けば私が戦場に行くなんて邪魔でしかないという考えになる。

逆に私の正体を知ってる方は本当に私を連れて行くのか、それが知りたくて主様の言葉を待っているのだ。

ふと視線を感じて其方を見れば主様が私を見ていた

じっと目を見て何を言いたいのかを理解すると私は静かに頷いた。

グ｢アルヒは…日常王国に行け｣

……は？

耳を疑った

失礼を承知で言うのなら主様が言い間違えたものでは無いのかと信じたかったが、目を見て直ぐに理解してしまった

そして私が反対するとか拒否するとか馬鹿なことは出来ない…だって命令だから

私こそ主様の次の言葉を待った

グ｢日常王国にいるぺいんと殿には前もって連絡はした。

直ぐに迎え入れる準備は出来ているから明日出発してくれ｣

『…畏まりました』

きっと主様は色んなことを考えた結果、私を日常王国に送ることを決めたのだ

例えば私を日常王国に向かわせて、ぺいんと様を護衛したり怪しい人物が居ないか監視させたりするんだろう

あとあるなら…ポケモンの力を敵に知られないようにするためとかだな

知られたとしても日常王国に守られる…心苦しいけど良い案だろう

コ｢…納得いかへんな｣

不満そうな顔をしてそう言ったのはコネシマ様だった

そりゃあそうだろう、だって今までのは私が頭の中で考えた理由という名の言い訳であり主様の口からの説明がまだないのだから。

グ｢焦るな…まだ理由を言ってないのだから納得出来ないに決まってる

まずは見て納得してもらおう…アルヒ｣

『……はい』

今度こそ私は覚悟を決めて主様の隣に並んだ