ルージュの指輪 (ページ10)

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Kunzite ページ10

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「Aは野菜担当な。」
「分かったー。」

「男子は火起こしとかセッティングお願い！」

基本的には男子と女子で分かれる形で準備をすることになって、ラッキーと思いながら淡々と野菜を切っていた。

「Aちゃんって道枝くんと付き合ってるんよな？」
「うん、まぁ。」
「幼馴染って最強やん。」
「そんなことないで。」

明るくて話しやすいアヤちゃんが話題を振ってくれた。
普通の恋バナ。それなのに少し困ってしまう。
明らかに私のせいだけど。

「でもあれか、道枝くんの彼女って妬まれたりせんかった？」

「付き合う前はそうやったかな、付き合ったら急に無くなったんよ。」

「みんな諦めたんやろな。」

確かに不思議だった。
中学の時に向いていた妬みは、高校に入ってぱったりと無くなったこと。みんな気にならなくなったのだと思っていたけど、そんなこと有り得るのか。

「今日初めて会ったから言うのアレやけど、道枝くんってAちゃんにだけめっちゃ甘かったりせん？」

「…え？」

また、か。
何も感じてないのは私だけなのか。

みんなが口を揃えて言うその言葉がずっと、気になって仕方なかった。