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「おはようございます」
「おはよう」
パリッとネイビーのスリーピーススーツで出勤すると
俺のデスクの側に今一番会いたくない人物が大野さんと立ち話をしていた
その2人が俺に気づいて
「おはよう櫻井」
「しょーくんおはよー」
「おはようございます
…滝沢
…どうしたんだよ？」
「あぁ、なんか俺らにまた不仲説が出てるみたいだからそれを拭いにきた」
「ふはっ。
それ逆に不自然で余計怪しまれんから」
「やっぱ？
冗談はさておき、久々一緒に一服でもどう？」
相変わらず爽やかで男から見てもいい男だよ
「おう」
こいつは昔から顔もいいし、頭もいいし、性格も穏やかで人の面倒見も良くて、誰にでも平等に優しかった
それが気に食わなくて距離を取っていた
Aのこともあったけど
思春期だったのもあって、こいつを斜めに見ていた部分もあった
俺は敵わないよ
「なに？
なんか話あんだろ？」
喫煙室に入るなり滝沢を急かす
「そんな焦んなよ
久々なのに」
「ふっ
お前は相変わらず穏やかだよな」
「俺は櫻井みたいに表に出せる方が羨ましいよ」
「嘘つくなよ」
お前は誰からも羨望の眼差しを受けてただろ
「マジだよ
櫻井はみんなから信頼もされてて常に輪の中心にいたし、それに…」
「は？
なんだよ？」
「…ううん
なんでもないよ」
タバコに火をつけながら滝沢は椅子に座る
その一連の動作を見守りながら次の言葉を待つ
滝沢はタバコの煙を吐き出すと
俺を見つめ
「まだ
誰にも言ってないんだけどさ
俺、会社辞めようと思ってるんだ」
「…はぁ？
マジで？」
突然の報告に驚きタバコをふかそうとした手を止める
しかもなんで俺に？
滝沢は営業2課でも将来を期待されている男だ
次の人事でいい役職に就くだろうと噂されていたのに
「転職？」
「うん」
「…どこ？
とか聞いていいのか？」
「…うん
名古屋に行こうと思ってる」
どくん
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俺の奥底にあるウザくて懐かしくて愛おしい感情が蘇る
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「それって…」
「うん
Aのところに行くつもり
Aはこの会社で仕事を続けたいって言うから
俺があいつのところに行く」
「…」
「ちゃんとプロポーズしようと思ってる」
「マジか…」
「うん
櫻井にはちゃんと伝えておこうと思ってて」
「おぉ…サンキュー
おめでとう」
「ありがとう」
なんとか笑顔を作った
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ことら(プロフ) - 皆さまコメントありがとうございます。 (2018年11月3日 11時) (
レス) id: f90816f02b (このIDを非表示/違反報告)
林檎(プロフ) - はじめまして!毎回楽しく読ませて頂いてました！すごく面白かったです､これからも頑張ってください！ (2018年11月2日 19時) (レス) id: 41dfb4f50b (このIDを非表示/違反報告)
まひろ(プロフ) - お疲れ様でした！ (2018年11月2日 18時) (レス) id: 57fa7283bf (このIDを非表示/違反報告)
ゆかり - しようちやんも大好きだよ (2018年10月22日 21時) (レス) id: 971a33d799 (このIDを非表示/違反報告)
ことら(プロフ) - まひうお様はじめまして。そう言っていただけるなんて光栄です。ありがとうございます！ (2018年10月22日 17時) (レス) id: f90816f02b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ことら | 作成日時：2018年10月13日 19時
