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滝沢とはそれから学生時代の思い出話や世間話しなど他愛のない話をして、就業時間になる頃にはそれぞれ喫煙室を出る
「じゃあ
またな」
「おう
頑張れよ」
「櫻井」
「ん？」
前を歩く滝沢が
ふと、足を止めて俺に振り向く
「お前も悔いのないように頑張れよ」
「ふはっ
なんだよそれ？」
「じゃあな…」
「あ
滝沢」
「ん？」
今度は俺が引き留める
「あいつにおめでとうって伝えといてよ」
「…俺まだプロポーズ成功してねぇから」
滝沢が少し弱気な顔になる
「大丈夫だろ
お前なら」
「サンキュー
成功したら伝えとく」
片手を上げて颯爽と歩いていく滝沢の後ろ姿を見送る
大丈夫だろ
お前なら
.
あいつを幸せにできるよ
好きな女のために自分の地位や名誉を捨てられるくらいの覚悟があるんなら
.
「しょーくん」
「うわっ
大野さんっ」
いきなり隣にいた大野さんに驚く
「さっきからいたよ。
しょーくんがたっきーを切ない目で見送ってる時から」
「それ、その発言。
誤解を生むのでやめてもらえませんか」
そんな俺の話は全く聞く気もなく
「しょーくんが好きな子ってAちゃんだよね」
「は？え？
俺さやかと付き合ってますけど？
しかもAを名前で呼んでんすか？」
「じゃあしょーくんは
Aちゃんと芹沢さんとどっちが好きなの？」
「は？え？
大野さん俺の話聞いてます？」
「頭でっかちなんだよ
しょーくんは」
キャッチボールの出来ていないこの会話に疲れて
「…とにかく
もうあいつは結婚するし
終わったことですから」
「まだ終わってないでしょ」
「え？は？」
「しょーくんのここにまだAちゃんいるでしょ」
「え？は？」
「認めたくないだけだよ。
しょーくん自身が」
「…大野さん…
そんなことして何がしたいんですか？
今更何も…どうしようもないんですよ」
「俺はしょーくんに幸せになって欲しいだけ」
「は？」
「だってしょーくん今まで生きてきて
そんだけ執着した人とか物があったの？」
「え？」
「しょーくん。
本当に欲しいものは欲しいって思わなくちゃ。
言わなくちゃダメだよ」
「大野さん…」
困った顔で見つめると
ふにゃっと笑う大野さん
「あ
朝礼始まる
いこうしょーくん」
「…はい…」
大野さんの言葉が俺の胸に染み込んで
どんどん重みを増していく
まだ終わってないでしょ
そう
本当は
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ことら(プロフ) - 皆さまコメントありがとうございます。 (2018年11月3日 11時) (
レス) id: f90816f02b (このIDを非表示/違反報告)
林檎(プロフ) - はじめまして!毎回楽しく読ませて頂いてました！すごく面白かったです､これからも頑張ってください！ (2018年11月2日 19時) (レス) id: 41dfb4f50b (このIDを非表示/違反報告)
まひろ(プロフ) - お疲れ様でした！ (2018年11月2日 18時) (レス) id: 57fa7283bf (このIDを非表示/違反報告)
ゆかり - しようちやんも大好きだよ (2018年10月22日 21時) (レス) id: 971a33d799 (このIDを非表示/違反報告)
ことら(プロフ) - まひうお様はじめまして。そう言っていただけるなんて光栄です。ありがとうございます！ (2018年10月22日 17時) (レス) id: f90816f02b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ことら | 作成日時：2018年10月13日 19時
