ある日、私は教室で寝ているあなたにキスをした。

最低な行為 ページ6

私は今、最大の危機を迎えている






「…佐藤？





　 聞いてる？」





どうしよう…顔が熱い

「聞いてるよ」



手が震える




気づいてたのかな？



怒ってるのかな？





「こっち向いてよ、佐藤」




向けるわけないでしょ
きっと今の私は顔が真っ赤だ。





「ごっごめん、赤司君 急がないといけないから帰るねっ」




そういって教室を出ようとしたとき腕を強く引かれる


強引に赤司君の方を向かされる
そして目線が絡み合う



「本当にどうしたの？」


もう、ちゃんと言わなきゃ


謝らなくちゃ


私は怖くて赤司君を見ないように目をギュッと閉じた。


「あの…ごめんなさい。私、まさか帰ってきた教室に赤司君が寝てるなんて知らなくて。それで…それで…
自分の気持ちが抑えられなくて。本当にごめんなさい」




怖い




嫌われちゃったかな
嫌な子って思われたかな



薄目で赤司君の顔を確かめる







「なんのこと？なにかあったのかい？」





そういって赤司君は心配そうに私を見た






まさか、気づいてなかった？





「あっえーっと あの…」




「あっあのね！赤司君に悪戯しようと思ったんだっ」




そういって嘘の笑いを作る




「佐藤って…そういうことするんだね」




そういってほほ笑む赤司君はとても美しかった。







っていうか後々考えると私ってすごく最低なことしたな
こんなにも 優しくて 素敵で カッコよくて なんでもできて



こんな人に…







本当に私は最低だ。

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