Remember Loving 【志麻】

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数曲歌ってから、ソロに入る。


俺の出番は、センラくんとのコラボが終わってからで、志麻くーんだの、センラさーんだの、やいやい騒いでる中 俺は1人で 集中するように ぼうっと天を仰いだ。






そういや、あいつ…

この曲聴いた時、なんか 泣いてなかったっけ。

志麻って 切ない歌も合うんやなーなんて 言うてた気がする。






アホ。恋愛の歌やからこそ、お前相手に歌おうと思って感情が入れやすいんやんけ。
別に、似合う似合わないちゃうわ。







…絶対にこんなこと、あって欲しくないけど。

でも例えば、こんなことが起こってしまったら。

そんな事考えたら、自然と心がこもるもんで。









｢ 聴いてください。『recoup』｣









さっきまで わいわいしてた空気は一変。
俺が作り出した空気… ちょいしんみりした 空気に、変わって。

後ろのバンドの音と、俺の声が重なって 響いて。ゆらゆら 揺れる紫のペンラが めっちゃ綺麗で、でも…リスには悪いが、それ以上に、なんでか ペンラも振られへんほどに 俺の歌で大号泣して、スタッフさんに 心配されてる あいつの方が よっぽど綺麗に思ってしまって。








なぁ、そうやって 泣き顔見せるのも、

俺の大好きな 笑った顔を見せるのも、

全部 全部、お前の感情引き出せるのは、

俺でありたいんだ。


ずっと、お前の隣にいたい。

今は…っつーか、これからも、

多分こんなアホなことしかしてへんし、考えてへん俺やけど。

それをそばで、お前に支えてて欲しい。









｢ ーーー！！！ ｣






彼女のことを考えると、なんでかすげぇ 声が出て。いつものリハ以上に すごい歌が歌えて、俺は満足して 歌いきり、その場で ほんの少しだけ 礼をした。

暗くなった舞台で、Aの方を見てみると…あいつはやっぱ、泣いているような そんな気がした。

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