【ジョジョ】酸素不足【ブチャラティ】

36話 ページ37

ブチャラティside



『っ……ん、』


今は皆で夕食を食べている。Aは少し寝ると言ったので、横になっているのだが……



『っう、んん……』


「おい、大丈夫かよ？一旦起こしてやった方がいいんじゃあねぇの？」

「A、悪い夢でも見てんのか？」



ミスタとナランチャの言う通り、さっきからAがうなされている。

熱があるので仕方ないとは思うが、冷や汗をかいていて苦しそうだ。


『っ……』



食事をする手を止め、Aの傍に寄る。冷や汗を拭ってやり、そっと頭を撫でる。



『……ん、』



すると途端、(名前の)表情は少し軽くなり、そしてゆっくりと目を開けた。



「……A、」


綺麗な黒の瞳が、オレの姿をとらえる。近くで見ると、より顔立ちが整っていることがよく分かる。


『ブチャラティ……はっ、私、変な顔で寝てた？』


ちょっぴり動揺した顔でオレを見るA。


うなされて目が覚めたというのに、予想外の反応をされ思わずふっと笑ってしまう。

だいぶ汗をかいているようだし、食事も取れている。じきに病状はよくなるだろう。


「いいや、少しうなされていたが変じゃあなかったぜ」


オレがそう言えば、安堵したような顔を覗かせる。もう寝顔は一度見ているというのに、心配性だな。


「A、ゼリー食う？水飲む？早く元気になれよォ〜」


『ふふ、ありがとうナランチャ。すぐ元気になるから！治ったらアイス食べに行こう？』


まじかよ！と喜ぶナランチャを見て、ふにゃりと笑うA。力はないが、柔らかい笑みだ。


その表情に、少しもやっとする。
それと同時に、その感情に驚いた。

オレはこんなに大人げない嫉妬をするようなやつじゃあなかったハズなんだが……


そんなことを思いながらも、オレはそっとAの髪を撫でて口を開いた。



「…ナランチャは誘うのに、オレとはどこにも出かけないのか？」


オレがそう言うと、『え！？』と驚いた顔をする。


『どうしたの、ブチャラティ…？あはは、まさかデートしたいの？なんちゃって……』


「そうだと言ったら、してくれるか？」

『な…！？』


ボフッと顔から蒸気が出そうなくらい顔を真っ赤にして、目を見開くA。


「おぉっ、いいぞブチャラティ！もっと大胆に…ひぃ！」


そう言ってオレを茶化すミスタを、Aがギラリと睨み付ける。



『い、行く…！』


キュッと服の裾を掴み、Aは嬉しそうにはにかんだ。

その溶けるような笑顔に、ドキリと心臓が跳ねたのだった。



風邪が治るのが楽しみだ。


*…*…*…*…*…

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幸運を運ぶ黄金の風キャラ

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