【宮侑】お前のおらん世界は【宮治】

7話 ページ7

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｢うっわ懐かし…｣







初めて2人でバレーの試合を観に行った時の写真。








バボちゃんの着ぐるみと一緒に撮った写真。









幼稚園の入園式、小学校の入学式の写真。








俺とサムが生まれた時から今までの写真が時系列順になっとる。









｢あーこれ懐かしいなぁ。サムがアイス落として泣いとったやつやん…ははっ…ほんま懐かしいわ…｣








ポタッと水滴がアルバムの上に落ちて、それからまた同じように水滴がゆっくりとアルバムの上に落ちる。









｢…っ…ｸﾞｽｯ……お前っ…何で消えたんやっ…｣









目を服の袖でゴシゴシ擦っても、涙は止まらずどんどん流れてくる。








アルバムの中の写真にも、サムの姿は無かった。








サムの姿が写っとる写真なんか、1枚も無かった。









初めてバレー観戦に行った時やって、バボちゃんと写真撮った時やって、入学式の時やって…いつだって俺ら2人は一緒に写真撮っとったのに。









｢お前っ……戻って来いやっ……｣









俺らバレーで高校最強ツインズとか言われとるのに、お前がおらんかったら意味無いやん。








俺とお前の2人が揃わんと意味無いんや。サムがおらんと出来ん事いっぱいある。







お前とまだバレーしたいのに、何で消えたんや？









なぁ、サム。お前は今どこで何しとんや？









お前がおらん日常なんか、何もおもろくないねん。

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