俺、あいつんとこに泊めてもらえるみたいです。

2週間 ページ6

Ki side



｢…どうすんだよこれ…｣


洗面台の鏡に映るのは、汗でメイクがどろどろになって、背中も汗でビシャビシャになった自分。

風呂で流してスッキリするつもりだったのになぁ……


｢明日は…あ、シャワー付いてるわ楽屋。｣


とりあえずメイクだけ落として、シャワーは明日か。ほんとは夜も朝もシャワー浴びなきゃ気がすまねえけど、こればっかりは仕方ないか…。


｢管理人さんいらっしゃいますか？｣

｢はーい、どうかされましたか？｣

｢あの…風呂が…｣


メイクを落とし、濡らしたタオルでできる限りの汗を拭いて、管理人さんの所へ向かった。


｢2週間…ですか…｣


どうやら風呂の修理には2週間ぐらいかかるらしく、近くに銭湯もないし、風呂を貸してくれるような住人はこのマンションにはいない。

かと言ってずっと風呂なし生活は厳しいよなあ…。
全ての楽屋にシャワー付いてるわけじゃねえしなあ…。


｢まぁ、明日ゆっくり考えればいいか…｣


家に着いてから休むことなく動き続けた体は限界を迎え、ベッドに横になるなり眠りについた。


｢ん…気持ちわりぃ…｣


寝汗の気持ち悪さで目が覚めた。最悪の朝だ。
いつもより早く家を出るためにマネージャーに連絡する。

｢あ、はよ。あのさ、今日いつもより早く出たいから今迎え来れる？…え、あ、藤ヶ谷もいんの？…まぁしょうがねえか…わかった。ん、ん、じゃあ10分後下にいる。｣


この状態で朝からメンバーに会うとか、どんだけ不幸なの俺…。しかも藤ヶ谷とか…。メンバー、特に藤ヶ谷には見られたくねえから早く家出るつもりだったのに！

・→←・

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す