リクエスト†夏目友人帳（２） ページ34
俺はそれから女の子に手を引かれて湖の縁に座った。
不思議と寒くなかった。
「それで、何でここに？名前は？」
「…………夏目、貴史。」
女の子は、そう、とだけ言ってあとは頭を撫でてくれた。
どうしてそこにいたかは聞かなかった。
「………君は？」
「私？私は………そうね、少し一人でいたかったから。」
彼女は名前を言わなかった。
でも、俺もそれについては言わなかった。
「ここ、綺麗でしょう？」
唐突に彼女が言った。
「え？うん、確かに。………ここだけ別世界みたい。」
嫌なこと、全てを忘れさせてくれる気がする。
そう思った。
「………ここ、本当は普通の子は入れないところなの。」
「……………え？」
俺は普通じゃないの？
そう思った。
けど、
「あなたはここに来られた。それはあなたが特別。そういうこと。」
「でも、俺は普通がいいんだ。」
彼女は優しく笑って、
「あなたは普通よ。何を言われようと。人は何かしら違うところがある。人は、それを責めたがるの。」
「…………。」
「人は醜い。人はズル賢いわ。けどね、私はそんな人であって良かったと思っている。
…………人は、愛しいものなの。」
彼女は、少し、寂しそうに笑った。
まるで、もう、愛しい人がいるみたいな。
幼かった俺でもそう思った。
「君は好きな人がいるの？愛してくれる人がいるの？…………僕には、いなくなっちゃった。」
「私は、捨ててしまったわ。」
「何で？！」
彼女は苦そうに笑って、
「叶えたい、願いがあるから。」
本当はそれが辛いんじゃないかと俺は思った。
捨てる、しかできないのかな、って思ったんだ。
だから、
「捨てるだけじゃなくて、待ってもらったら？大事な人たちなんでしょ？」
「…………！！」
「僕なら、そうする。」
彼女は目を見開いて、ゆっくりと笑った。
「………優しいのね。」
「そう？」
「えぇ、とても。…………私の好きだった人と、同じ。」
「そっか。」
彼女は立ち上がって、
「帰りなさい。今日は楽しかったわ。」
「僕も。」
「あなたは、とても澄んだ目をしているわ。とても、綺麗。例え、人と違ってもあなたはあなたよ。
…………いつか、現れるわ。あなたが大事に思う、思ってくれる人。そのときは、逃がさないようにね。」
「うん！」
彼女は良いこね、と笑うと、何か呟いた。
「結界輪、瑠璃変化。」
綺麗だった。
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凛恋@キドさん愛し隊(プロフ) - 主人公が面白かったです笑。あと、夏目貴志ですよ〜。 (2018年1月31日 20時) (
レス) id: 64b5b9dc76 (このIDを非表示/違反報告)
真祐(プロフ) - 全然構いませんよ！逆にバッチコイです！ (2015年12月28日 22時) (レス) id: b91ca935e2 (このIDを非表示/違反報告)
宵華 - いえいえ（笑）初リクエストですもん。メッチャやる気出ました(*^^*) (2015年12月28日 21時) (レス) id: 5fd51ca0f3 (このIDを非表示/違反報告)
�� - 私のリクエストを聞いていただけたことがうれしいです！ありがとうございます！ (2015年12月28日 20時) (レス) id: 1d38253789 (このIDを非表示/違反報告)
宵華 - ご迷惑おかけしました。わ分かりましたよ！っていうか私がアホですね(。>д<)！ (2015年12月28日 19時) (レス) id: 5fd51ca0f3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：宵華 | 作成日時：2015年12月8日 22時
