序章 ページ1
たとえば。
夢見るときがある。
転入生がやってくる。
その子は何でも出来る…素敵な子。
クラスで一番…明るくて、優しくて、運動神経が良くて。
しかも頭もいいからみんなその子と友達になりたがる。
だけどその子は沢山いるクラスメイトの中に私がいることに気が付いて、その顔におひさまみたいな優しい笑顔をふわっと浮かべて私に近づき
「こころちゃん、久しぶり!」
周りのみんなが息を呑む中、その子は私に前から知ってるんだよね、なんて目配せする。
みんなが知らないところで私達は、もう…友達。
私に特別な何かが無くっても。
私の運動神経が特別良くなくったって。
頭がずば抜けて良くなくったって。
私に、みんなが羨むような長所が本当に、何もなくっても。
ただ皆よりそのこと先に知り合う機会があって、すでに仲良くなっていたという絆だけで。
私はその子の一番の仲良しに選んでもらえる。
お手洗いにいくときも、移動教室のときも、休み時間も。
だから私はもうひとりじゃない。
真田さんのグループがその子とどれほど仲良くしたがったって。その子は必ず
「私はこころちゃんと一緒にいる」
と、私を選んでくれる。
そんな奇跡が起きたらいいのにって、ずっと、願っている。
でも。
そんな奇跡が起きないことは、ずっと前から知っている。
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怜(プロフ) - トロイカさん» 本当ですね!?気づくの遅れてすみません…修正しました! (4月4日 20時) (レス) id: b646ea4538 (このIDを非表示/違反報告)
トロイカ(プロフ) - 全部で8人では? (2月14日 21時) (レス) @page11 id: ccf39fbb9a (このIDを非表示/違反報告)
7Tw2ErnmNI22864(プロフ) - ちょうど昨日金ローの録画をみて、こういうの読みたいなあって思ってました!つぎのお話も楽しみにしてます!!🙏🙏 (2月14日 20時) (レス) id: 28c0945122 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:怜 | 作成日時:2024年2月9日 21時