検索窓
今日:9 hit、昨日:3 hit、合計:429,425 hit

二人でいれど、三人でいれど ページ18

振り返ると、学者風の丸眼鏡を掛けている青年___坂口安吾が階段を降りてくる所だった。



「織田作さんは太宰君に甘いんです

太宰君の台詞の三つや二つくらいは金槌で後頭部を叩いて突っ込むくらいではないと、収拾がつかなくなりますよ

ご覧なさい、バー全体がツッコミ不全の亜空間と化している

マスターなんて、細かく震えています

___おや、其方の女性は?」



学者然とした出で立ちだが、此れでも私達と同業。

専属情報員だ。



「Aの事かい?

嗚呼、紹介しよう、私の恋仲___」



「AAです

存じていられると思いますが、首領補佐を務めております

坂口安吾さん___でしたよね?」



おい太宰、いい加減に...と思う程、太宰さんはブレない。

如何したものか。



「嗚呼、貴方が___

仰られた通り、マフィアの専属情報員です

宜しくお願い致します」



安吾さんの言葉に、私も、此方こそ、と云うと太宰が口を開いた。



「やあ安吾!

暫く見なかったけど、元気そうじゃないか」



太宰が笑顔で手を掲げる。

......嫌な笑顔だ、と思う程、綺麗な笑顔である。



「元気なものですか

東京出張からたった今帰ってきたばかりなんです

日帰りのね

古新聞みたいにくたくたです」



安吾が私の隣に腰を掛けるとほぼ同時に、マスターが黄金色の液体を安吾の前に置いた。

グラスの中をのぼる泡が、背の低い照明を反射して、静かにひかっていた。


予感とは偶然になる→←理由、経緯、事由を


文豪達のラッキー愛

乱歩さんのお菓子への愛


目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (178 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
368人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

アルパカはむはむ(プロフ) - れたすさん» すいません、修正します! (2017年3月22日 20時) (レス) id: aa53b83762 (このIDを非表示/違反報告)
れたす(プロフ) - 苗字と名前がおなじになってますよ! (2017年3月22日 20時) (レス) id: c8875f112f (このIDを非表示/違反報告)
舞花 - オリエンス★さん» 誤字報告有難う御座います!よく間違えてしまうんですよね......(+_+)すいませんでした、修正します! (2017年2月26日 21時) (レス) id: be55d2a0f5 (このIDを非表示/違反報告)
オリエンス★ - あの、姐さんの名前ってこうようですよね?28ページの11行目、ルビがくれはになってますよ? (2017年2月26日 19時) (レス) id: 45aae5d70b (このIDを非表示/違反報告)
舞花 - 続編出来ました!皆様、沢山の評価、お気に入り有難う御座います。今後とも宜しくお願い致します! (2017年2月25日 22時) (レス) id: be55d2a0f5 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:アルパカはむはむ | 作成日時:2017年2月17日 19時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。