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28.delete ページ28

深い、深い意識の底。

どこまでも暗く、黒く、自分だけがいる世界。

『僕』だけが居る世界。

「セシル…?」

そんな世界にリドルの声がして振り返ってみる。

この世界が『セシル』と『リドル』の2つになった。

もしかしたらこれで『セシル』は消えることが出来るかもしれない。
リドルには申し訳ないけれど、僕に取ってはそれがどうしようもなく嬉しい事だった。

『僕』が消えてしまえば、リドルに対するあの醜い感情が消えてくれるから。

最後だから、最期だから、少しだけ、言ってもいいよね。
言っても意味が無いとは思うけれど。

「リドルなんて居なければ僕はこんなに苦しまなかったのに。」

リドルも苦しい思いしているの知っているけれど、こんなこと言ってごめん。

「リドルが優しくしなければ、僕を認めてくれなければ、僕は『セシル』であることを諦められたのに、リドルを嫌いになれたのに。」

リドのその優しさに漬け込んでいたくせに、どうしようもなく大好きな家族のくせに、リドルを嫌いになりたいだなんてごめん。


「僕にリドルみたいな才能があればよかったのに。」

リドルが一生懸命努力をしてるの知っているのにそんなこと言ってごめん。


「僕らが双子じゃなければ、僕もリドルも幸せだったのに。」

リドルは変われてるのに、自分だけが変われないだけなのに、ごめん。


「僕らが『ローズハート』でなければ、幸せだったのに。」

リドルの気持ちも知らずにこんなこと言ってごめん。

少し、吐き出すだけでポロポロと涙が零れる。

自分の気持ちなんてわからなかった。
矛盾している気持ちが自分の中にあって、それが気持ち悪いくらいに自分を掻き乱している。

でも、もうこれも『今』で終わり。

「だからね、ありがとう。リドル。大嫌いだった。でも大好きだったよ。どうか、リドル。元気にね。それじゃ、さよなら。」

リドルに届くはずもないその言葉を投げ捨てる。

お願い。

お願いだ。

早く『僕』を、『セシル』を、消しておくれ。

「待ってくれセシル!!」

リドルに後ろから抱き締められる。
生暖かい体温が伝わって来る。

昔一緒に寝てた時と同じ暖かさだ、と呑気に考えていた時、意識の中にある風景が流れてくる。

あの黒い液体に、ブロットに包まれた『セシル』に手を伸ばし、同じように液体に飲み込まれていく『リドル』が。

「り、リドル…ホンモノのリドル?」

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(名前)(プロフ) - あぁ…良い…でも見ていくうちにどんどんりどるのゲシュタルト崩壊が… (2023年1月25日 7時) (レス) @page8 id: 2e5d9e36c3 (このIDを非表示/違反報告)
ののの - 素晴らしかったです!!!!😭 (2022年9月19日 0時) (レス) @page42 id: 4f3997e613 (このIDを非表示/違反報告)
♦nana♦ - とても最高でした! 私も、自分らしく自由にいていいと思うことができて、とても嬉しかったです!応援しています! (2022年1月1日 21時) (レス) @page42 id: 16b63c63b8 (このIDを非表示/違反報告)
シン - 神な作品ありがとうございます!!これからも応援してます! (2021年5月29日 10時) (レス) id: 0fa80a0c97 (このIDを非表示/違反報告)
病葉 - いやぁ…あのリドルの悲痛の叫びを花江夏樹が…今をときめく鬼狩りの少年がよぎったのは気のせい? (2020年10月23日 22時) (レス) id: 0515bcf5a2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:小坂谷 真夜 | 作者ホームページ:@lag0n027  
作成日時:2020年5月17日 22時

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