十七羽目 ページ20
誰かに呼ばれた気がして目が覚めた
たくさんの汗をかいて体はびしょびしょ。心臓は煩いくらいに速く脈打っている
目の前には心配そうな太宰の顔。その顔を見た瞬間、あれは夢だったのだと安心した
『…あ……だ、ざい…』
「起こしてしまったかい?Aが倒れたと聞いて、慌てて帰ってきたのだよ」
まだぼやけている私の頭を撫で優しく微笑む太宰
いつもなら少し冷たく感じる太宰の手も、今の私には気持ちよく感じられた
気づけば、いつの間にかガタガタと震えていた両腕。
必死に震えを押さえようとしていると、脳裏に蘇ってきた悪夢
また置いていかれる……一人になる…!
恐怖に脳を支配された私は、ボロボロと大粒の涙を流しながら私は必死に太宰にすがりついた
「ちょ、A!?」
『やだ…厭だ……!!太宰、太宰……!!置いてかないで、一人にしないで……!!』
「……A…」
『太宰、太宰…!!』
譫言のように私の名を呼び続けるA。その姿は小さな子供さながらで……私にはその姿はいとおしく、そして酷く儚く思えた。
そして____いつものAじゃない。
そう感じた
任務終わりの太宰の外套からは、硝煙や血の臭いがしていた
Aはその臭いを酷く厭がり、いつもなら任務終わりの私には近づこうとすらしない筈なのに……
結局その場では原因は分からず、私はAが再び眠りにつくまで傍に居続けることしか出来なかった
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七巳流 - 太宰さぁー〜ーーーん (2022年7月10日 16時) (レス) @page34 id: 910d5180ae (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - Юрияさん» コメントありがとうございます!期待に答えられるように頑張ります! (2019年4月29日 19時) (レス) id: 5e06df6d00 (このIDを非表示/違反報告)
Юрия(プロフ) - とても面白いです!此れからも、更新楽しみにしてます!更新、頑張ってください! (2019年3月17日 23時) (レス) id: f4565d370d (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - 山吹晋助さん» 態々返信して頂いてありがとうございます。面白いお話にすることが出来ず力不足で申し訳ないです……そう言って頂けて光栄です。これからもよろしくお願いします! (2019年3月8日 19時) (レス) id: 5e06df6d00 (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - ウナさん» コメントありがとう御座います。これからもよろしくお願いします! (2019年3月8日 18時) (レス) id: 5e06df6d00 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:レイ | 作成日時:2018年9月3日 23時