第35球 心配と心配 ページ37
及川side
俺、結構余裕なかったんだな
及「もう!!探したんだよ!!!なんで烏野に居るのさ??俺、ずっと待ってたんだよ??確かめようにも、全然連絡もつかないし!!!後輩達に聞いても、みんな知らないって言うし!!!だいだい引退あたりから様子が変だったって聞いたけど、なんかあったの??本当に心配したんだからな!!!!」
顔を合わせたら、今まで胸の内に秘めていた思いが込み上げてきて、止めることが出来なかった
当の本人は呆気に取られた表情で俺を見てるけど、その顔も可愛いとかずるくない?
でもさすがにこの沈黙は俺も耐え難いし、このまま何も聞けずじまいなんて真っ平御免だ
及「ちょっと、なんか言ってよ」
「……そんな風に思っていらっしゃるとは、思っていなくて、驚きました」
及「もう、心配ぐらいするに決まってるでしょ?今は平然と高みの見物してるけど、岩ちゃんだってずっと気にしてたんだから!」
そう言って静かにこちらを見ていた幼馴染を指させば、ハッとしてから眉間にシワを寄せた
岩「うるせえ、クソ及川!………でもさすがに連絡が取れないのは心配したぞA」
「すみません……前のスマホが故障して買い換えた時に番号もアドレスも変わってしまって…」
岩「そりゃあ、しょうがねぇな」
及「連絡が出来なかった件は分かったけどさ………Aは?」
「…?」
及「A自身は大丈夫なの?」
「…!」
俺が1歩近づけば
再び目を見開いて
ふわりと笑った
「相変わらずの心配性ですね……少し心境の変化があっただけで、ちゃんと元気ですから。それよりも…」
そこまで言うと、先程とは打って変わって真剣な表情に変わった
「あなたは大会前に何をやってるんですか!!軽い捻挫で済んだから良かったものの、心配したじゃないですか!!」
今度は俺が目を丸くする番だ
「この大事な時期に!あの人を倒す為にずっと努力してきたんですよね?今までの努力、全部棒に振るつもりですか!それに練習試合に主将不在ってどういうことですか?もう少しチームの中核である自覚を持ってください!」
この感じ、懐かしい
俺の為に
一生懸命なその姿
及「Aがそんなに及川さんを思ってくれてるなんて嬉しいね〜」
「冗談はいいですから、早くアップ行ってください」
及「はーい♪」
いつもの様におちゃらけて
嬉しくてたまらないこの気持ちを誤魔化した
***
久々更新!
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幸人 - これは初神者 (2019年10月4日 17時) (レス) id: fa5f2782df (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Rei | 作成日時:2019年7月7日 5時