36*白雪姫と毒リンゴ ページ37
朔間零 side
「おやおや、そんなに急いでなにか用事でもあるんですか？…零。」
「ちと家のAが心配でな。」
ミーティングを終えて帰ろうとすると、渉くんが声を掛けてきた事で自分が焦っていることに気づいた。
「白雪姫に何かあったのですか？」
「何もないとは良いのじゃが…」
「毒リンゴを食べてなければ良いのですがね。まぁ王子様のキスで姫は目覚めると言いますが。」
家に戻れば夕食時だと言うのに、リビングにAはおらぬ。
…夕飯の支度は終わっているらしく、凛月も食べ終わった後のようだ。
「凛月や、お兄ちゃんじゃよ。
ちと部屋に入れてくれぬか」
愛しい凛月を部屋の前から呼び掛けているのにまたも無視されておるわい。
いるのは分かっておるのじゃが、随分と嫌われているようじゃ。
「凛月〜」
「…なに、うるさいんだけど。」
やっと顔を出してくれたものの不機嫌に我輩をにらんでいて本当に傷ついてしまう。
「Aの姿が見えぬのじゃが、何か知らんかのう？」
「…普通科の子達に酷いこと言われて、塞ぎ込んでる。
一緒にいようとしたけど一人になりたいって。」
普通科の子等に凛月のいる時に言われた言葉…
妬みの類いか…、しかし打ち解けている凛月を拒むのじゃから…
「最後は目の事…言われてた。
あんなに綺麗なのに…」
気を落としているのは凛月も同じのよう…
人間の感情は小さな事からヒビが入りあっという間に砕けてしまう、だから我輩たちからしたら美しいのじゃが…
凛月の頭を撫でれば嫌そうな顔で払い除けられ自室へと戻ってしまう。
次は少し先のAの部屋。
ノックするも返事はない。
「Aや。眠っているのかえ？」
部屋のなかから小さな音が聞こえ、それはドアを開き「零さま」と小さすぎる声を聞かせてくれた。
「ただいま、A。
やはり帰宅の際におぬしの姿が見えぬと寂しいのう。」
『…ごめん、なさい…
気分が優れなくて…』
「部屋に入っても？」
「はい」と返事をしたあとゆっくりと大きく扉が開かれ中に入ることを許された。
まだ制服姿で、横になっていたのだろう。
ベッドにシワを寄せている。
…ベッドサイドには【昔の我輩】と少し小さいAの写真。
黒歴史じゃから忘れて欲しいのじゃが…
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りっちー(プロフ) - 面白かったです！更新頑張って下さいね〜！ (2018年5月21日 20時) (携帯から) (
レス) id: ee27b93d84 (このIDを非表示/違反報告)
モカ(プロフ) - 夢小説好きなネコさん» 高２の後半、もうすぐ３年になる時期からのスタートなので俺様じゃありません。 (2017年8月2日 10時) (レス) id: efb045d001 (このIDを非表示/違反報告)
夢小説好きなネコ - 兄者って高2の時俺様だったような… (2017年8月2日 5時) (レス) id: fcd198aace (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：モカ
| 作成日時：2017年7月29日 16時
