検索窓
今日:6 hit、昨日:2 hit、合計:102,531 hit

第34幕 突然の変化 ページ35

「近藤さん、話ってなんですかィ?」

部屋に入ってくるなり、遠慮なく近藤の前に座り込んだ総悟。

普段と変わらない様子の彼を見て、近藤はどこか悲しげに微笑んだ。

それは、在りし日の幸せを見るかのように。

そして総悟とは正反対に、山崎と鉄之助は行儀よく端に座る。

三人が話を聞ける態勢を整えた所で、近藤は重い口を開いた。

「呼び出された時・・・随分と変わった組み合わせだと思ったんじゃないか?」

「・・・・」

全くだ、と。

いつもなら、からかう様に笑って返すところだ。

だが、今の近藤の姿は、そんな雰囲気ではなかった。

総悟達は、口を閉ざして近藤の言葉を待つ。

近藤は、ふぅっと重々しいため息をついた後に、険しい表情で言った。

「・・・・・・・・上条Aについて、話がある」







「数週間前、かぶき町を脱獄囚達が襲った事件があったのを知っているな?」

「・・・・はい」

土方とAは、人通りのない廊下を静かに歩いていた。

雰囲気は鉛の様に重たい。

突然、何でそんな事件の話をするのか。

Aは気になったが、前を歩く彼の背中は黙って聞け、と言わんばかり。

彼女は俯いて、土方の話の続きを待った。

「脱獄囚は皆、揃いも揃って、妙な刀を持っていた。

 奴らが脱獄した手段から考えても、かぐや族の関与は確かだと考えている」

「・・・・・・!!」

かぐや族。

その単語に、Aは表情を引き締める。

彼女にとって、無視は出来ない話だった。

「刀を持った脱獄囚は、俺達には手に負えなかった。

 ・・・・・・・・・アイツ等は紅桜を持つかぐや姫しか倒せねェらしいな」

土方は、そう言ってその時の事を思いだすように目を細める。

「・・・・・そうだ。その通りだった。俺達が束になっても太刀打ち

 出来なかった奴らを、てめーは一人で一掃した。・・・・・・・・・・・そうだろ?」

ピタリと、土方の足が止まった。

彼は、Aを睨み付けるようにしながら振り返る。

「・・・・・・物狂いのかぐや姫さんよ」







ガシャンッ!!

そんな音が響いて、床にコップの破片が飛び散る。

中に入っていたコーヒーが、高級なマットにシミを作った。

「おや、手を滑らせたのですか?のぶめさん」

マットのシミをさほど気にしていない様子で、そう声をかけてきた佐々木をよそに、

信女はコップを滑らせた自分の掌を見つめた。

「・・・・・・・・」

嫌な予感がした。

第35幕 軋む絆→←第33幕 冷たい瞳



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (113 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
166人がお気に入り
設定タグ:銀魂 , 逆ハー , 微原作沿い   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

なーさん(プロフ) - テスト頑張ってください!! (2014年11月16日 18時) (レス) id: d351fb8f9b (このIDを非表示/違反報告)
List(プロフ) - 頑張ってください!!いい結果待ってます!!^^ (2014年11月16日 18時) (レス) id: 03b1c2db39 (このIDを非表示/違反報告)
声優志望の塊 - テスト頑張って下さい!!私も期末テストがァァァ…(汗)お互い頑張りましょう!! (2014年11月16日 16時) (レス) id: 6657ffd95b (このIDを非表示/違反報告)
リア - アニさん» 春雨は一応出てくる予定です!!メインではないので、申し訳程度ですが・・・・・。楽しみにしていてください!! (2014年11月16日 14時) (レス) id: d14a04e072 (このIDを非表示/違反報告)
アニ - 御返事ありがとうございます!紫京登場しましたけど、春雨がでてくるのでしょうか?p (2014年11月9日 14時) (レス) id: a3f197bbbb (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:リア | 作成日時:2014年9月18日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。