検索窓
今日:12 hit、昨日:38 hit、合計:82,905 hit

四十五 ~過去~ ページ46






芥川side





____バンッ、バンッバンッ、バンッ






その発砲音と共に、僕は振り返った。


振り返った僕の目の前には、赤い血が、ボロボロの服に広がっている、その小さな背中。

その背中が、僕の方に倒れてきた。





芥「紫…っ!?」


「がはっ…!」





突然のことに、太宰さんたちも目を見開き、反応が遅れていた。

僕の外套にも、紫のものと思われる血が広がっていく。





「み、なさん…っ、無事…っ…よかっ、た…」


芥「…っ」





紫はそう言って、目を閉じた。

その瞬間、僕の心の底から殺気が湧いてきた。
僕の後ろからも、一つ、殺気を感じた。





中「…」





それは中原さんのものだった。
中原さんは、何かと紫を大事にしていた。

だからか…とても怒りや殺気が剥き出しになっている。


僕は、紫を抱えて立ち上がった。





中「下がってろ、芥川」


芥「!ですが、紫は僕の部下…あの男を殺さねば、怒りが収まりませぬ…!」


中「俺が、殺る…っ!」





そう言って、中原さんは男の方に飛んで行った。

だが、相手は異能力者らしく、体術も兼ね備えており、再び沢山の敵が現れている。
さらに先程の戦いで、中原さんは怪我を負い、疲れもある。

少し、押されているように見えた。





「うっ……」


芥「紫…!」


「あ、くたがわ、さん……、!中原、さん…っ!」





その時、紫が目を覚ました。

そして、僕と中原さんの名を呼び、手を中原さんに伸ばした。
何をするつもりなのか、僕には分からなかった。


そして僕は数十秒後、止めていればよかったと、後悔をする事になる。





「っ…【輝く日の宮】……っ!」





呟くように小さな声で言ったその言葉。

その意味は分からなかった。
すると、中原さんは、怪我がなく、疲れも何も無い様な動きをして戦い始めた。

そして、紫は更に苦しそうな声をあげた。





芥「紫…っ!治癒能力を使ったのか…!?」


「ぐあっ…!…っ、中原さんの、為です…っ、皆さんにも…」


太「駄目だよ、紫くん」





僕らをも治癒しようとした紫を止めたのは、太宰さんだった。





太「体力、使うんだろう?全く…早く休んでおいで」


「っ、でも…!」


太「大丈夫。みんな、相当怒ってるから、楽勝だよ。芥川くん、よろしくね」





僕も戦いたい、という思いをどうにか抑え、僕は戻った。

紫は、もう体力が尽きたのか、目を閉じていた。




四十六 ~過去~→←四十四 ~過去~



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (38 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
55人がお気に入り
設定タグ:文スト
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

栗ようかん(プロフ) - 悠寿さん» わ、すみません!指摘ありがとうございます!\(°Д° )// (2018年2月13日 0時) (レス) id: 2cd9c9184b (このIDを非表示/違反報告)
悠寿(プロフ) - 1話目の与謝野さん明子じゃなくて晶子ですよ! (2018年2月11日 19時) (レス) id: 9887905400 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:栗ようかん | 作者ホームページ:http://なし  
作成日時:2016年7月27日 12時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。