【文スト】ただ、みんなを支える為だけに (ページ44)

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四十三 ~過去~ ページ44

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私は、芥川さんとの仕事を終えて、中原さんを外で待っていた。
待ちながら、物を操る能力の練習をしていた。

試してみると、結構沢山のことが出来た。

でも、少し使っただけで、体力が一気になくなった。

「こんなに疲れるんだ…この能力…」

少し休んでいると、向こうから二つの人影が見えた。

よく見ると、太宰さんと中原さんだ。
帰ってきた…！と、嬉しくて立ち上がった私。

でも、だんだんと近づいてくる二人を見ると、焦った顔をしていた。
中原さんは腕を押さえている。

太「！中也、紫くんだ」

中「紫…！手前、中に入ってろ！」

「え…何で…？」

二人は走りながら、私に言った。

取り敢えず私は、中に入った。
後から入ってきた二人に、何があったのかを聞いた。

太「仕事の内容はいつもみたいな殺しの任務だったんだけど…

そこが結構やばい処でね…」

中「おかしいと思ったんだ。今までとは桁違いに強ェから、調べてみたらポートマフィアに恨みを持つ、デケェ処だったから…やばいと思って逃げてきたんだ。多分、すぐに此処へ来る」

「その腕…」

「逃げ出す時に、ちょっとな…」と、顔を歪めて言う中原さん。

私は、すぐに治癒をした。
私に移る事はどうでもいいから。

中「…！傷が…」

「私の能力です。私は此処で、敵の足止めをします。お二人は首領の処へ」

太「でも、君はまともな攻撃系の能力を持っていない。向こうが能力者だった場合、もっと不利になる。後、君は人を…」

「大丈夫です！行ってください！」

私は、自分に移った中原さんの怪我の痛みを我慢し、隠しながら、言った。

二人の背中を押すと、二人はそのまま走って行った。
そして、私は外に出た。

向こうには、既に大勢の敵がいた。

練習をしていたせいで、体力はほとんどない。

せめて、何も使わなくても身体能力がずば抜けてたらいいのに。

物を操る時のような、何気ない願いを心の中で呟いた。

そして、私は走り出した。

すると、あまり足は速くないはずなのに、一瞬で敵の前に来ていた。

「っ…！？また能力…！？」

敵「何だてめぇ！！ポートマフィアの奴か！？」

敵「やっちまえ！」

私は咄嗟にジャンプした。
すると、普通の人とは思えないくらい飛べた。

そのまま敵に蹴りをかます。

体力も戻った。

敵「こいつ…能力者…！？」

これなら…足止めできる…！

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