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四十 ~過去~ ページ41






真「っ…!」


「真緒っ!」





飛んでくる破片を、間一髪避ける真緒。
後ろの壁に大きなくぼみができる。

当たったら、本当に死んじゃうよ…っ。





「何で逃げないの…っ」


薫「A、今のうちに逃げて」


「嫌!!みんなで逃げる!」


幸「A、私、ここに立つの怖くないよ。だって、Aを守る為だもん。それに、昴くんも居るし、みんなとなら、死ぬのだって怖くないよ」


「それなら私だって…!さっちゃん危ない!」





さっちゃんに向かってくる破片。
私はさっちゃんの前に立った。

くる…っ!

でも、痛みは来ない。


真緒が、前に立っていたから。





真「ぐあっ…!」


ホ「ちぇっ、腕かー」


「真緒…っ!」


真「っ、ぜんっぜん、痛くねぇよ…っ。ほらっ!」


「っ…」





血だらけの腕を広げて笑顔を見せる真緒。

…っそんなことされても、余計に離れたくなくなるだけだよ…。





真「心配すんな。俺たちは大丈夫。だから、昴が助けてくれたその命、無駄にすんじゃねぇぞ。俺らの分まで、生きろ」


薫「ぐっ…!」


幸「っ…!」


「薫っ!!!さっちゃん!!!」


ホ「あと一人だねー、真緒くん?」





倒れて、もう目を開けない二人に駆け寄ろうとするも、真緒に「行くな!」と、止められる。

もう、私は涙を流してみることしかできないの?
なんて無力…っ…!


治癒をしようと思っても、かばおうと思っても、全部全部真緒に止められる。





ホ「最後、投げるよ…っ!」


「っ!危ない!」


真「…俺、お前がずっと、ずっと好きだった。大好きだ、A」


「真緒っ!!!!」





そして、私を庇うように立つ真緒の胸に、破片が突き刺さった。

そんなの、今言わないでよ…!
もっと、もっと前に言ってくれたら…っ!





「真緒…みんな…っ」


ホ「さっ、Aちゃん、行くよー」





こっちに近づいてくるホーガンさん。

もう逃げらんないよ…っ。
私は、真緒の、まだ少し暖かい手をぎゅっと握る。


___その時、誰が呼んだのか、警察が来た。





警「着いたぞ!連絡をくれた昴くんは____っ!何だこれは…!子供を!」


ホ「ちっ…面倒くさいな…」





最後まで、昴はさすがだよ。

私は、ホーガンさんの気が向こうに行った時、思いっきり駆け出した。
ホーガンさんが捨てて、散らばっているお札を何枚か適当に拾って、靴なんか履かずに、思いっきり走った。


真緒達の命は無駄にしないから…っ。




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栗ようかん(プロフ) - 悠寿さん» わ、すみません!指摘ありがとうございます!\(°Д° )// (2018年2月13日 0時) (レス) id: 2cd9c9184b (このIDを非表示/違反報告)
悠寿(プロフ) - 1話目の与謝野さん明子じゃなくて晶子ですよ! (2018年2月11日 19時) (レス) id: 9887905400 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:栗ようかん | 作者ホームページ:http://なし  
作成日時:2016年7月27日 12時

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