27話 ページ29
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「…谷崎さん、敦君、ナオミ、下がってて」
Aは今から行われることを予想し、3人を下がらせる
樋口は携帯を手にして、誰かに電話をかけた
「芥川先輩?予定通り捕らえました。これより処分します」
その言葉に四人は顔を青くする
「芥川だって……?」
今さっき国木田と太宰とAが説明していたポートマフィアの狗だ
国木田でもあれと闘うのは御免だと云うくらいの異能力の持ち主
Aは誰にも聞こえないくらい小さな舌打ちをした
「我が主の為____ここで死んで頂きます」
樋口は銃を構え、乱射する
Aは戦闘をする準備をした____
________
____ぱち
同時刻、何かを聞きながら本を読んでいた太宰の目が見開かれる
焦りや驚きのような表情をしていた
そんな太宰に国木田は話しかける
「おい太宰。いい加減仕事を____あれ?」
国木田は太宰がいた場所に目を向ける
だが、そこには誰もいなかった
________
樋口は谷崎に向かって銃を乱射した
谷崎はそれを避けれなかった
でも、彼にその銃弾が届くことはなかった
「兄様……大丈…夫?」
ナオミが谷崎を守ったからだ
血塗れのナオミはそのまま谷崎の元へ倒れる
谷崎は急いで彼女を支えた
「ナオミッ!!」
谷崎は狂ったように「ナオミ、ナオミ…」と必死にナオミを呼ぶ
ナオミの躯は段々と冷たくなっている
Aは鞄の中に応急処置ができそうなものがないかを必死に探す
ある程度大怪我でも対応できるようなものは持っていたが、出血も傷の範囲も大きい
密輸業者だから大丈夫だろうと油断していたことが仇となった
「ど、どどうしよう……し、止血帯、敦くん、Aちゃん止血帯持って無い?いや先ず傷口を洗ッて…違う、与謝野先生に診せなきゃあ…い、医務室まで運ばないと、敦くん、Aちゃん、足持って…」
「そこまでです」
銃に弾を入れた樋口が谷崎に銃を突きつける
Aは鞄の中にある護身用の銃を手に持つ
「貴方が戦闘要員でないことは調査済みです。そこの女も大して武器を持っていない様ですし、これなら殺れる。健気な妹君の後を追っていただきましょうか」
「あ?」
谷崎から殺気が放たれる
「チンピラ如きが____ナオミを傷つけたね?」
____細雪
この空間に季節外れの雪が降った
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