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「そう。AちゃんはA組なの。進学クラスよね?」
「・・・はい」
「うちの子は進級できるかも危ういのよ。毎日先生から電話かかってきて頭が痛いの」
体調が悪くて早退した時、まだ3限目の時間なのに、二階堂くんはド派手な人たちと数人で、バス停にたむろしていた。
「そんな中で決まっちゃって」
「え?」
「主人の転勤」
「あぁ」
「この子も連れていきたいのは山々なんだけど、高校を転校させるのは可哀想だし、この子も行きたくないって言うし。主人について行くのはやめて私もここに残ろうか悩んでた時に、偶然佐和子ちゃんに会ってね」
「彼女と私は幼馴染みなのよ」
「・・・そうなの?」
「随分ご無沙汰してたけど、偶然駅前で会ってね、5時間も喋っちゃった」
「・・・へぇ」
「それで、ご主人の転勤の話を聞いて、うちで高嗣くん預かるわよって言ったわけ」
「へぇ・・・・え?!」
「うちならお兄ちゃんの部屋が空いてるし、あんたと高校も同じだし、一石二鳥でしょ?」
「何が?何が二鳥?」
「だってあなたは全然話し相手になってくれないじゃない?お兄ちゃんが独り暮らし始めてから、お母さん寂しかったの。だから高嗣くんがいてくれたら賑やかになるわぁって、すごく嬉しいのよ」
「私、ちゃんと話し相手になっ・・・
「俺と毎晩話そうね」
「やだぁ!嬉しいわぁ!」
少女のように喜んで、お母さんは私の肩をバンバンと叩く。
「・・・痛い」
肩も胃も、痛い。
学校生活では、絶対に交わることのない私たち。
ひとつ屋根の下での生活なんて、想像できるわけがなかった。
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