44 (玉森くん) ページ44
シャワーを浴びて脱衣所を出た瞬間、ちょうど玄関を開けたAと鉢合わせた。
「あ、お邪魔します」
「バイト？」
「はい。今日はいつもより早く終わったから」
どことなく、元気がない気がする。
ガシガシとタオルで髪を拭きながらAに近付くと、彼女の目の縁が少しだけ赤くなっていることに気づいた。
「泣いた？」
「泣いてないです」
「赤いよ？」
「何でだろ？」
「誤魔化すな・・・
理由を追求しようとする俺の体に、Aは勢いよくしがみつく。
「A？」
「今日、泊まってもいいですか？」
「門限は？守んないの？」
「ちゃんと、お姉ちゃんにお願いしたよ？」
目を潤ませて、Aは俺を見上げる。
切羽詰まったように。
懇願するように。
「A、どうしたの？」
「どうもしてない。ただ、玉森さんと一緒にいたいだけ」
これ以上粘っても、理由は話さないつもりだろう。
だったら俺も、聞かない。
聞かないけど、Aが側にいて欲しいのなら、俺はちゃんと側にいる。
「泊まれば？」
「いいんですか？」
「身の安全は保証しないけど」
冗談のつもりだったのに、Aは真剣に俺の顔を見つめている。
「・・・保証なんてしないで？」
「・・・え？」
「・・安全なんて保証されても嬉しくない。私は・・・触れて欲しいって思います。玉森さんに、いっぱい触って欲しいって、ずっと思ってます」
大事にしてたのに。
もっと時間をかけた方がいいって思ってたのに。
君は、俺が思うより、ずっと大人の女の人なんだね。
「・・シャワー、浴びといで？」
「え？」
「触って欲しいって、お前が言ったんじゃん」
「・・はい」
やば。
多分、俺、緊張してる。
経験なら、何度もあるのに。
何で・・・こんなに・・。
あぁ、そうか。
俺、
好きな人を抱くのは初めてなんだ。
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にかみつば(プロフ) - 北山くんのお話を優先して読んでたのですが、こちらも読んでみたらとても面白くてハマりました。三上先生の登場で更に面白い展開になってきて続きが楽しみです。いつも素敵なお話を作ってくださり、公開してくださりありがとうございます。 (2020年7月17日 16時) (
レス) id: 74d56dba5b (このIDを非表示/違反報告)
マキ(プロフ) - marumarusubasubさん» marumaruさんは、もしかして横尾担様でしょうか？もしそうなら一緒です〜＼(^^)／こちらが終わったら、書きかけの横尾さんのお話に取り組みたいと思ってます。いくつかお話をかかえてないと頑張れないので、未完がたくさんあるのがたまに傷な私です笑(*´-`)頑張ります★ (2019年9月16日 8時) (レス) id: a3dcba5f46 (このIDを非表示/違反報告)
marumarusubasub(プロフ) - レスありがとうございます。嬉しいです。すごく読みやすく、特に横尾さんのお話大好きです。個人的に横尾さんのお話熱望ですm(_ _)mこれからも楽しみにしています！ (2019年9月14日 20時) (レス) id: 7cd9d44213 (このIDを非表示/違反報告)
マキ(プロフ) - ちい★さん» 本当に( ；∀；)やっとだったのに。設定的に30年近くかけて、初めて人を好きになったのに。。という、やりきれない気持ちになりました(自分で書いておきながら笑)。皆さんが願ってくださるラストになればいいなと思いながら(私も先は知らないのです)更新がんばります★ (2019年9月14日 15時) (レス) id: a3dcba5f46 (このIDを非表示/違反報告)
マキ(プロフ) - わわかさん» わわわわ(*´-`)私の書いたお話にかわいさを感じてくださってるなんて〜(*^-^*)嬉しいな♪ちょっと今の展開は穏やかではありませんが、ほんわかじんわりなお話に戻れるように苦しい場面を乗り越えたいと思いますp(^^)q (2019年9月14日 15時) (レス) id: a3dcba5f46 (このIDを非表示/違反報告)
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