第六話『好きになってはいけない人』 ページ27
完全に目が覚めた玉森くんは、携帯を確認した後、「やばっ」って呟いて急いで私のうちを出て行った。
さっき、吉岡さんに少しでも嫉妬の感情を持った自分を呪いたくなる。
恋人が電話にも出なくて、家にも帰って来ないなんて、吉岡さんは昨日、どれほど心配したことだろう。
気をつけなきゃ。
私と玉森くんは同級生だし、初めての都会暮らしに四苦八苦してる私のことも、同郷の友人として、気にかけてくれてるんだと思う。
その優しさにつけこんだり、甘えたりすることは許されない。
「しっかりしなさい！」
わざと声に出して、自分に言い聞かせる。
毎日、栄養満点の食事をしよう。
体調なんて、二度と崩さないし、仕事でミスもしない。
完璧になりたい。
玉森くんの手助けなんて、少しも必要ないほど、隙のない自分になりたい。
ベッドの中でサナギみたいにまるまって、玉森くんへの気持ちを封印する。
好きじゃない。
好きじゃない。
好きになってはいけない。
「・・うん。大丈夫」
意を決して、キッチンに立つ。
冷蔵庫を開いて、私はその場に座り込んでしまった。
ほとんど食材の入っていなかったはずの冷蔵庫は、隙間がないほどにたくさんの食べ物でいっぱいになっている。
「・・・・・ひどいよ」
膝を抱えて、号泣する。
決意したのに。
せっかく好きじゃないと言い聞かせたのに。
玉森くんは簡単に私の決意を翻してしまう。
目の前にあるプリンを取り出して一口食べる。
柔らかいその感触が、玉森くんの笑顔みたいだと思った。
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マキ(プロフ) - かのんさん» うわーん( ；∀；)嬉しいです！ありふれたありきたりな話しか書けませんが、好きだと言ってもらえてすごーーく嬉しいです(*^^*) (2021年4月17日 13時) (
レス) id: 50fef8eb31 (このIDを非表示/違反報告)
かのん(プロフ) - もう、本当に本当に大好きです！マキさんの作品、本当に大好きです！！ (2021年4月16日 19時) (レス) id: 46e739e0e0 (このIDを非表示/違反報告)
マキ(プロフ) - eiennianatadakeさん» 最後まで読んでいただき、ありがとうございます(*^^*)私の書いたもので少しでも心が温まってくださったのなら、こんなに嬉しいことはありません(*^^*) (2021年4月15日 16時) (レス) id: 50fef8eb31 (このIDを非表示/違反報告)
eiennianatadake(プロフ) - とても心が温かくなるようなお話でした！展開にハラハラしたり泣けちゃったり次回のお話も楽しみにしています！ (2021年3月4日 3時) (レス) id: 69ceef1236 (このIDを非表示/違反報告)
マキ(プロフ) - umiさん» このお話を好きになっていただけて嬉しいです！玉森くんのドラマが始まる前に書き終えたんですが、もうドラマも終盤ですね！時間が経つのが早くてびっくりしてます笑！ (2021年3月3日 0時) (レス) id: 50fef8eb31 (このIDを非表示/違反報告)
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