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第五話『世話焼き』 ページ21

仕事帰りの横尾さんを追いかけて、スープジャーと栄養ドリンクを差し出す。



「昨日のポトフ、すっごく美味しかったです!ありがとうございました」



「やる」



「え?」



「そのスープジャー、お前にやる」



「そんな・・貰えませんよ」



「新品だから綺麗だよ」



「だったら尚更、貰えません。自分で買いますから」



「買わねーだろ、絶対」



「買います。スープ作ります」



全然信用していない顔をして、横尾さんはしばらく考えた後、閃いたように私を見た。



「今から俺んち来い」



「え?!」



私があまりにも驚くから、横尾さんはキョトンとして首をひねった。



「何だよ、その驚き方」



「・・だって、おうちに呼ばれたから」



「あ・・・待て!違うからな?!そういう意味じゃないから!ただ、スープの作り方を教えようとしただけで・・」



「わ・・・すみません!変なこと言っちゃいました」




私の勘違いに、横尾さんと二人で赤くなる。



しばらくその場に立ち尽くしていた私たちの前に、のんびりした速度で歩く、玉森くんが通りかかった。



「なにしてんの?」




「・・・あ、べつに。横尾さんにスープジャー返してただけ」




玉森くんの出現で調子を取り戻した横尾さんが、もう一度私に尋ねる。




「どうする?来る?来ない?」




「何の話?」



「横尾さんちで、スープの作り方教えてくれるって」



「何それ。超楽しそうじゃん!横尾さんち荒らそ〜ぜ」



「玉森は呼んでない」



「何で?」



「お前には作ってくれる人がいるだろ」



「俺が彼女に作ってあげたい日もあるんですよ」



そう言って玉森くんは横尾さんの背中を押す。



「楽しみだなぁ。よこーさんち」

第五話『世話焼き』→←第四話『温かいポトフと冷製トマトスープ』



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マキ(プロフ) - かのんさん» うわーん( ;∀;)嬉しいです!ありふれたありきたりな話しか書けませんが、好きだと言ってもらえてすごーーく嬉しいです(*^^*) (2021年4月17日 13時) (レス) id: 50fef8eb31 (このIDを非表示/違反報告)
かのん(プロフ) - もう、本当に本当に大好きです!マキさんの作品、本当に大好きです!! (2021年4月16日 19時) (レス) id: 46e739e0e0 (このIDを非表示/違反報告)
マキ(プロフ) - eiennianatadakeさん» 最後まで読んでいただき、ありがとうございます(*^^*)私の書いたもので少しでも心が温まってくださったのなら、こんなに嬉しいことはありません(*^^*) (2021年4月15日 16時) (レス) id: 50fef8eb31 (このIDを非表示/違反報告)
eiennianatadake(プロフ) - とても心が温かくなるようなお話でした!展開にハラハラしたり泣けちゃったり次回のお話も楽しみにしています! (2021年3月4日 3時) (レス) id: 69ceef1236 (このIDを非表示/違反報告)
マキ(プロフ) - umiさん» このお話を好きになっていただけて嬉しいです!玉森くんのドラマが始まる前に書き終えたんですが、もうドラマも終盤ですね!時間が経つのが早くてびっくりしてます笑! (2021年3月3日 0時) (レス) id: 50fef8eb31 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:マキ | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2020年12月24日 1時

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