46 (二階堂くん) ページ46
「これ、何料理？俺、得体の知れないの食べられないんだけど」
「うるせーなぁ。じゃあ食うなよ！」
俺の渾身の創作料理に、千賀はぶつぶつと文句を言う。
「味が不確かなんだけど。すごい不安定な味」
「マジで帰ってくんない？毎日毎日呼んでもないのに来やがって」
「俺はニカに会いに来てるんじゃないんだよ？この子に会いに来てるんだから〜」
40万も支払って、俺に押し付けた豆柴を、千賀はめちゃくちゃ可愛がっていて、高級ドッグフードを頼みもしないのに大量に買ってくる。
「そんなに可愛いなら自分で飼えよ」
「会えないから会いたいんだよ。会えない時間が愛育てるのさって歌もあるだろ？」
「いつの歌だよ」
「順調に育ってますか？」
「は？」
「Aちゃんへの愛は」
「ばっっっっかじゃねーの？！」
「バカじゃないよね〜？君の飼い主の方が何倍もバカだよね〜？」
渾身の創作料理をフォークでグサグサに刺している俺を、千賀はニヤケ顔で見つめる。
「Aちゃんね、記憶戻ったんだって」
「え？！」
「北山さんから連絡きたんだ。よかったら会ってあげて欲しいって。一緒に会いに行く？」
「行かない」
「何で？」
「うるせーな！会いたくないんだよ！」
「何で会いたくないの？どんだけ育てたいの、Aちゃんへの愛」
「育ててない！とっくに枯れてる！」
「うわぁ。大人の嘘ってみっともないなぁ。全然可愛いげがない」
千賀はそう言って大袈裟に首を振る。
「そんなに育ててどうするの？枯れないよ？絶対。会えない時間って、最高に相手を美化するから。想いは募るばっかりだねぇ」
「千賀」
「ん？」
「お前さ、随分長いこと彼女いないくせに、よくそんなこといけしゃあしゃあと言えるよな？」
「僕、精神科医ですよ？心理学ならお任せあれ」
「あっそ」
だって勝手に育つんだもん。
全然枯れてくれないんだもん。
俺にどうしろっていうんだよ。
こんなに好きになっちゃって、俺はどうしたらいいんだよ。
いっそのこと爆発しちゃえばいい。
どんどん膨らんでいくこの気持ちは、最終的に爆発して、粉々になって散っていくべきなんだ。
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れいな - 初めましてこんにちは。このお話が大好きで何度か読ませていただいております。そのたびに大号泣しています。こんな素敵な作品に出会わせてくださってありがとうございます。 (2020年7月4日 4時) (
レス) id: ac9fdaad24 (このIDを非表示/違反報告)
マキ(プロフ) - naoさん» はじめまして。コメントの通知が来ておらず、お返事が遅くなってすみません(>_<)naoさんは二階堂くんがお好きなんですね！私の書いたもので、少しでも楽しんでいただけたのなら嬉しいです(*^-^*)書いててよかったです。コメント、ありがとうございます(^-^) (2019年8月26日 13時) (レス) id: a3dcba5f46 (このIDを非表示/違反報告)
nao(プロフ) - 初めまして。二階堂高嗣で検索して、このス素敵な物語に出会いました。もう最初から最後まで、胸がギューっとなりながら一気に読み終えました。今まで読んだ作品の中で、1番好きです。本当に感動しました！大好きな二階堂くんがしあわせになってくれて嬉しいです！ (2019年8月7日 3時) (レス) id: 98957e13af (このIDを非表示/違反報告)
マキ(プロフ) - くまのこさん» 意味がわからないくらい...なんて、そんなに泣いてくださって感激です(;∀;)お気に入り作者に登録していただいて、重ね重ねありがとうございます★ (2018年8月8日 19時) (レス) id: a3dcba5f46 (このIDを非表示/違反報告)
マキ(プロフ) - にかあゆさん» 泣いてくださったんですね！うわぁぁ、ありがとうございます(;∀;)そして、全作品読んでくださったなんて嬉しいです！ (2018年8月8日 19時) (レス) id: a3dcba5f46 (このIDを非表示/違反報告)
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