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47 (北山くん) ページ47

「こんにちは」




「あ、北山さん、いらっしゃいませ」





Aのお母さんに挨拶をして、コーヒーを頼む。





時々こうやって、俺はAの店に立ち寄っている。





「みっくん!」





「おう」






Aはしばらく入院した後、完全に記憶を取り戻して退院した。






俺たちは別れてしまったけど、愛情の全てが消えてしまったわけではない。






Aの笑顔を見ると、いまだに胸は痛むけれど、この笑顔は、恋人だった俺には取り戻せるものではなかったから。






「お仕事、順調?」





「ん〜・・親父と冷戦中」






「また?」






「反りが合わないっていうか、ことごとく意見が合わない。お互い嫌いだわ〜って思ってんだよ」






「仲良くしなよ」






「無理!一生無理!」







Aが困った顔をして笑う。









親父を許してくれた彼女が、世界一幸せになればいいと思う。









埋もれてしまうくらいの幸せの真ん中に、彼女が立っていればいいのにと強く願う。






「A」






「何?」





「俺がお前と別れた理由、もう一つあるんだ」






「え?」








「A、好きな人がいるんじゃない?」







「・・・好きな人?」






「うん。好きな人」







Aは動きを止めて、一度だけまばたきをした。






その一瞬のまばたきに、Aと彼の時間が流れているのが俺には見えた。







「今、思い浮かべている人が、Aの好きな人だよ?」






「・・・・でも・・・私・・・







「幸せになれよ。自分でちゃんと幸せになろうとしなきゃ、いつまでたっても幸せにはなれないよ。自分で会いに行け。自分で、ちゃんと気持ちを伝えなきゃ」








少し、悔しい。






少し、悲しい。









だけど、俺は精一杯の力で君の背中を押したい。







頑張れ!頑張れ!って、単純な言葉で応援したい。







願ってるから。






俺は君の幸せを、誰よりも強い気持ちで願っている。

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れいな - 初めましてこんにちは。このお話が大好きで何度か読ませていただいております。そのたびに大号泣しています。こんな素敵な作品に出会わせてくださってありがとうございます。 (2020年7月4日 4時) (レス) id: ac9fdaad24 (このIDを非表示/違反報告)
マキ(プロフ) - naoさん» はじめまして。コメントの通知が来ておらず、お返事が遅くなってすみません(>_<)naoさんは二階堂くんがお好きなんですね!私の書いたもので、少しでも楽しんでいただけたのなら嬉しいです(*^-^*)書いててよかったです。コメント、ありがとうございます(^-^) (2019年8月26日 13時) (レス) id: a3dcba5f46 (このIDを非表示/違反報告)
nao(プロフ) - 初めまして。二階堂高嗣で検索して、このス素敵な物語に出会いました。もう最初から最後まで、胸がギューっとなりながら一気に読み終えました。今まで読んだ作品の中で、1番好きです。本当に感動しました!大好きな二階堂くんがしあわせになってくれて嬉しいです! (2019年8月7日 3時) (レス) id: 98957e13af (このIDを非表示/違反報告)
マキ(プロフ) - くまのこさん» 意味がわからないくらい...なんて、そんなに泣いてくださって感激です(;∀;)お気に入り作者に登録していただいて、重ね重ねありがとうございます★ (2018年8月8日 19時) (レス) id: a3dcba5f46 (このIDを非表示/違反報告)
マキ(プロフ) - にかあゆさん» 泣いてくださったんですね!うわぁぁ、ありがとうございます(;∀;)そして、全作品読んでくださったなんて嬉しいです! (2018年8月8日 19時) (レス) id: a3dcba5f46 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:マキ | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2017年3月8日 15時

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