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「おじいちゃん！」
すごい勢いで、千賀さんが病室に入ってくる。
おじいちゃんが運び込まれたのは、千賀さんの病院だった。
「騒々しいなぁ」
すっかり落ち着きを取り戻したおじいちゃんが、嫌そうに顔をしかめる。
「おじいちゃん、ニカは知ってるの？」
「何を？」
「何をって・・・」
「俺が長くないことか？」
病室が、静まりかえる。
あまりの衝撃に、頭がうまく働かない。
「・・・・ずっと黙ってたの？ずっと隠してたの？」
千賀さんが涙声で、おじいちゃんを問い詰める。
私は見ていられなくて、そっと瞼を閉じた。
滴が、頬をつたっていく。
「言えるわけないだろう」
痛い。
おじいちゃんの気持ちも、二階堂さんの気持ちも、考えるだけで痛くて、苦しくて、辛くて、お互いを大切に思う分だけ、悲しみは、深く濃くなっていく。
「じいちゃん！！！」
息を切らして、汗をかいて、白衣を着たままの二階堂さんの目には、すでに涙が浮かんでいた。
「なんだ、バカ孫。その酷い顔は」
「・・・じいちゃん」
「何だ」
「じぃちゃん！！！」
おじいちゃんにすがり付いて、二階堂さんは泣き崩れる。
たった一人の家族。
二階堂さんは、おじいちゃんのことを、いつもそんなふうに言っていた。
「・・・高嗣、悪いな。もう、側にはいられないみたいだ」
二階堂さんの背中を、おじいちゃんが優しく撫でる。
まるで、子どもをあやすみたいに。
私と千賀さんは、同時に病室を出た。
二人の時間に水を差すことは、誰にも許されないと思ったから。
「Aちゃん」
千賀さんが、静かに私の名前を呼ぶ。
「Aちゃん、今日は、ニカの側にいてあげて？」
私が隣にいることで、二階堂さんの悲しみを和らげることができるなら、一晩中側にいる。
一晩中手を握るから、少しだけでも眠って欲しい。
眠れば、その時間だけは、二階堂さんはこの悲しみから、少しは解放されると思うから。
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れいな - 初めましてこんにちは。このお話が大好きで何度か読ませていただいております。そのたびに大号泣しています。こんな素敵な作品に出会わせてくださってありがとうございます。 (2020年7月4日 4時) (
レス) id: ac9fdaad24 (このIDを非表示/違反報告)
マキ(プロフ) - naoさん» はじめまして。コメントの通知が来ておらず、お返事が遅くなってすみません(>_<)naoさんは二階堂くんがお好きなんですね！私の書いたもので、少しでも楽しんでいただけたのなら嬉しいです(*^-^*)書いててよかったです。コメント、ありがとうございます(^-^) (2019年8月26日 13時) (レス) id: a3dcba5f46 (このIDを非表示/違反報告)
nao(プロフ) - 初めまして。二階堂高嗣で検索して、このス素敵な物語に出会いました。もう最初から最後まで、胸がギューっとなりながら一気に読み終えました。今まで読んだ作品の中で、1番好きです。本当に感動しました！大好きな二階堂くんがしあわせになってくれて嬉しいです！ (2019年8月7日 3時) (レス) id: 98957e13af (このIDを非表示/違反報告)
マキ(プロフ) - くまのこさん» 意味がわからないくらい...なんて、そんなに泣いてくださって感激です(;∀;)お気に入り作者に登録していただいて、重ね重ねありがとうございます★ (2018年8月8日 19時) (レス) id: a3dcba5f46 (このIDを非表示/違反報告)
マキ(プロフ) - にかあゆさん» 泣いてくださったんですね！うわぁぁ、ありがとうございます(;∀;)そして、全作品読んでくださったなんて嬉しいです！ (2018年8月8日 19時) (レス) id: a3dcba5f46 (このIDを非表示/違反報告)
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