【マギ】秀外慧中かくあれかし【幼女戦記】

第十八幕 帰国 ページ21

手合わせの後、もう一度とか負けず嫌いみたいなことを言ってきたが、全て受け流して何事も無かったかのような体で帰国した。

ただ、少々心配のもとであった破裂した三半規管が無事治って正直めちゃくちゃホッとしましたよ。
なにせ、あれが治らなければ自分が立ってるか座ってるかすら分からなくなるんですから。

手合わせの後、流石の私も治らない場合を考えるととても冷や汗モノだった。

さて、帰国してからは暇を持て余している私は呑気に読書に勤しみ、傍らには優雅が控えている。

彼も中々凄い人物で、前世のような一眼レフカメラ(魔道具)をつくってしまった。私を撮るために。

執念怖い。

そういえば、優雅がおかしくしてしまった彼女、幕外のあの女。彼女をおかしくするのに一番貢献したのが優雅作の一眼レフカメラらしい。

優雅は演算宝珠の出力のゴリ押しで地下牢のさらに地下に洗脳部屋を作っていた。

全面鏡の部屋に上手く反射するように私の写真を置いといて、あとは優雅も部屋の中にはいって淡々と私について語ったらしい。

曰く、姫様はだあーいじな神様だから決して汚してはならない。

曰く、姫様を政略婚に出したら煌帝国は壊す。

曰く、尊い姫様に悪影響がある環境は壊す。

曰く、姫様を敬わない下級民は殺す。

曰く、姫様のご慈悲に遠慮してはならない。

曰く、姫様はただ一人の私の理解者である。

とまあ、こんな事を延々と語っていたらしい。
過激にも程がある。

まだ、まだ恋慕の念とかなら理解できる。が、神格視はなんというか……感情の源が理解できない分恐ろしい。

本から顔を上げて優雅へ問いかけた。
「優雅、もし私がお前に死ねと言ったら、自ら命を絶つか？」

「ええ、姫様が望むのなら私は貴女に、私だけの神に命を捧げましょう。未練などなく」

ああ、やっぱり此奴は……おかしい。
私だけのという、独占欲を持ちながら何故か神になどという信仰も持っている。自分で布教してた癖にだけのとかいうあたり、理解ができない。

「……やはりさっきの質問は聞かなかった事にしろ。私はお前が使える限りは死ねなど言わん」

「姫様の御心のままに」

＞＞同志ユーリ

優雅くんの良いところは、自覚がない所です。本当に本心で動いています、だからこそタチが悪いのですがね。

＞＞読者の皆様

一つ疑問なのですが優雅くんって人気なんですかね？
別にそうじゃないなら戦死させちゃおうと思うのですが。どうでしょう！

あ、また更新は遅くなりまー

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