第十三幕 同時刻 バルバッド上空 魔道大隊 ページ14
「中佐殿ー、元帥殿達が撤退してっいちゃいましたー」
バルバッド上空、高度12000に32の人影が確認される。空を飛行できる者は少ないが故に、32人もの飛行している者がいるのは側から見ればとても異質だった。
遥か下方にある積雲を見下ろしながら、のびのびとした口調で、年若い男が上官に話しかけた。
「いやー、それにしても上層雲がなくて助かりますねー、中佐!」
いやはや軍人としてはおかしいくらいにお喋りな男に上官はキレたようだ。元帥殿の前でなかっただけマシだとしか言えない。
「口を慎め中尉。大隊の副長ともあろう者がこれでは部下に示しがつきまい」
「はーい。たく、優雅大尉はなにやってんでしょうね!」
「ああ、そもそもバルバッドの制圧は我々の任務だ。スラムの住居の始末をしてくださっただけ感謝しろ」
ですねー、というあいもかわらず間延びした口調で告げると中尉も口を閉ざした。
『あーあー、此方大尉だ。聞こえるか?』
相手の通信妨害も、盗聴もないからこその気の抜けた通信が大佐にかかってきた。
「此方大佐、聞こえる。要件をねがう」
『現在別業務中の元帥殿から伝言だ。貞行中尉が怠慢を起こしていたら訓練所へ新兵と一緒にぶちこんどけ、だそうだ。葉月中佐はしっかりしているのになんでその副官があんなのなんだと、元帥殿が嘆いていたぞ』
「了解、任務が終わり次第訓練所へぶちこんどくとする。私も貞行中尉の軽々しい言動など苛々させられていた。一度、人間性から否定され直してこいと思っていたところだ」
『そりゃあよかった。じゃあ、私も仕事があるので失礼する』
通信がきられる寸前、少し遠くからだろうか、元帥殿の処分されたいのか、優雅! という怒鳴り声が聞こえた。
元帥殿が、役職名でなく名前を呼んでくれるとは、優雅大尉も喜ばしいのだろうな。
階級は私の方が上なのにと少し思い、葉月中佐は任務の為に中隊長達に指示を出し始めるのだった。
>>みくさん
面白かったと言ってくださり有難うございます。
同志と呼んでも構わないでしょうか?
(前回視点飽きた、といったので気分を切り替えるために、話の中で結構出てきた癖に台詞の一切なかった葉月中佐にでしゃばってもらいました。葉月中佐の副官も設定上いる、から本編キャラに昇格です。オリキャラで死なない予定(は未定)なのはこの子達で終わりで、あとは出てきても直ぐに戦死することでしょう)
第十四幕 閑話休題・優雅について→←第十二幕 占領するが、殺しは必要最小限。
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かしわてぃ。(プロフ) - あっそうですか。では読みませんしお気に入り登録もしません。あと、このコメントには返事は結構です。 (2017年4月9日 22時) (レス) id: e8a76eb73d (このIDを非表示/違反報告)
諏訪(プロフ) - かしわてぃ。さん» アドバイスなら申し訳ありませんが今回は見送らせて下さい。変な所で切るのは私が気にくわないので。読みにくいなら読まなくて結構ですから、それは譲れません。 (2017年4月9日 22時) (レス) id: 212d41517c (このIDを非表示/違反報告)
かしわてぃ。(プロフ) - 次のページに書けばいいと思います。その時に文字数の関係上変な所で切って申し訳ありませんと書いたらどうでしょうか?悪魔でもこれはアドバイスです。 (2017年4月9日 15時) (レス) id: e8a76eb73d (このIDを非表示/違反報告)
諏訪(プロフ) - かしわてぃ。さん» 文字数の関係上難しいです。 (2017年4月9日 11時) (レス) id: 212d41517c (このIDを非表示/違反報告)
かしわてぃ。(プロフ) - もうちょっと隙間開けて打ち込んでください。何か見づらいので…終わった後にすいません。 (2017年4月9日 9時) (レス) id: e8a76eb73d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:羽白 | 作成日時:2016年12月27日 22時