わたしのおへや ページ25
この話の中に出てくる｢上｣は、全て読みは｢かみ｣のつもりです。
ややこしいですがそこのとこぜひお願いします。
今夜は宴会だ。
名目は、沖田さんと私の復帰祝い。
私達が色々と大変だったからと延期されていた正月分もプラスで。
私がここに来てから、宴会はこれで2度目だ。
1度目は確か、私の再就職祝い･･･的なやつ。
準備は先輩方に任せたまま上座に引っ張り出された記憶がある。
そして局長の裸踊り。
あの人は何故事ある毎に脱ぐのだろう･･･
とにかく、私は今も準備をサボっていた。
先輩方から逃げた後、結局また厨房へ準備しに戻ったのだけれども。
やっぱり、Aちゃんは今回の主役なんだからする必要ないのよ･･･とか、
その格好じゃ何だし、せっかくだからおめかしして来たら･･･とか。
そうにっこにこ笑顔で速やかに追い出されてしまった。
でも、確かにそれも一理ある。
だって、髪もボッサボサなまま病院服と殆ど見分けのつかないような着流しを着ているだけだったから。
だから任せるのは悪いなと思いつつも部屋に引き返して来たのだ。
局長に名目上沖田さんと私が主役だからとか言って上座方に引き摺り出すと宣言されたから、
さすがに身だしなみには気を使わないといけない。
ちなみに席順は上方の方から、
局長、副長、そして隊長格の方々、次が隊士達･･･末席に女中(が加わることもある)。
ついでに言うと、山崎さんはいつも隊長の並びの末に座る。
隊長方は、上方から順に、1番隊2番隊と並ぶ。
そして私は前回、あろうことかそれらをすっ飛ばして副長と1番隊隊長･･･つまり沖田さんとの間にねじ込まれたのだ。
一介の女中にそこまでされては示しがつかないのではと副長に言ったのだけど。
この真選組はホントに大きな家族みたいで。
始まってみるとみんなして席順なんて関係なく暴れていたのを覚えている。
局長にモザイクをかけながらその時の様子を思い返しつつも、私は手早く着物を着る。
いつもは隊服に合わせて暗い色しか着ないけれど、
今日くらいはほんの少しだけ明るめの色を着て行ってもいいだろうか。
髪も丁寧に梳って。
やっぱりほんの少しだけ、口元に紅を引いて。
今日はお酒飲まないようにしなきゃ、と前回やらかしたので自分に言い聞かせる。
部屋を出る。
まだ時間が早いだろうか。
それとも、ちょっと遅いだろうか。
襖を閉める時、そう言えば明日はバレンタインだ、とふっと思った。
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｢ビビってんですかィ？｣
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作者名：あおいひつじ | 作成日時：2019年12月20日 14時
