暁のヨナ_緋の光_

ちぎれた絆 ページ12

ー五日後
緋龍城では16になる皇女ヨナ姫の誕生祝の宴が行われたー








姫さんはスウォン様に簪を頂いたご様子
嬉しそうな姫さん…かわいいな


私も私の髪を好きになれるだろうか
…なんてね



それにしても
せっかくの宴なのに先日から感じるこの異様な気配のせいで酔っ払うことさえできないじゃないか…たくっ…


サァー…


嫌な風が城を駆け抜けてゆく




『ハク…何か入り込んでるね』

ハ「お前もそう思うか？俺は出入りした人間を見張ってる。お前は姫さんを」

『わかった』









トントン

『ヨナ姫、Aです。』

サッ

言い終わるとほぼ同時に扉が開いた

ヨ「A！」

『どこかへ行かれるのですか？』

ヨ「うん。父上のとこへね。スウォンを私の中から消すことはできないと…話せばきっと…父上だってわかってくれるはず」

イル陛下
やはり反対されていたのか…


『わかりました。けれどもう夜も遅い…私もおともします』ニコ


ヨ「Aが一緒なら心強いわ！」







二人で陛下の部屋へと向かう…が…


おかしい


宴の後とはいえ静かすぎる…
衛兵が誰もいない
なぜだ

ハク…一体何が起きているの？



陛下の部屋…
戸が少し開いている

しかもここにさえ衛兵がいない


『姫さん…私の後ろへ』


そっと扉を手で押し開ける




…！？





うそ…でしょ…

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