【あんスタ】いまさら プロデューサーと いわれても

12　◇.優しさ ページ13

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私が距離をとったのを分かったのか、敬人君は一歩、私に歩み寄る。


「おい……

『あ、もうすぐ授業が始まりますので私はこれで。失礼します、


“蓮巳先輩”。』



敬人君の言葉を遮り、背を向け教室へと向かう。





敬人君だけには、迷惑をかけたくない。
小さい頃からずっと一緒にいてくれた、幼馴染みだけには……





教室へと走り出そうとすると、


ｸﾞｲｯ



強く手首を掴まれ、引っ張られる。



そしてまた、敬人君の香りが広がる。



「…お前、変わったな」


一言そう呟かれる。


…確かに変わったかもね。
まぁ、あんなことされたら誰だって変わると思うけど。



「だが、俺の幼馴染み、というのは変わらないだろう？」


抱き締められる力が強くなり、
心が暖かくなるのを感じる。


やっぱ敬人君は優しい。
ずっと変わらない優しさ。


「『寺と神社』という宗教の違いで俺らの親は仲が悪かった。

だが、俺たちは違った。
毎日一緒に遊んで、登下校も一緒だった。

そんな俺らの関係が、2年で消えるほど儚いものだったのか…？」



違う。


私はいつも、敬人君のことを思い出していた。


何でも話せた、唯一の幼馴染みを。






けれど………



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